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紅組優勝争いは豊島将之九段、近藤誠也七段、伊藤匠五段の3者 5月2日、王位リーグ最終戦

松本博文将棋ライター
(記事中の画像作成:筆者)

 5月2日。お~いお茶杯第63期王位戦・挑戦者決定リーグ戦、最終局がおこなわれます。紅組の対戦は以下の通りです。(▲=先手、△=後手)

△豊島将之九段(3勝1敗)-▲伊藤匠五段(3勝1敗)

▲近藤誠也七段(3勝1敗)-△佐々木大地七段(2勝2敗)

△黒沢怜生六段(1勝3敗)-▲西尾明七段(0勝4敗)

 紅組は3局ともに東京・将棋会館で指されます。

 豊島-伊藤戦は勝った方がプレーオフ以上という直接対決です。

 両者は本局が初手合です。

 元王位の豊島九段は4月30日に誕生日を迎え、32歳になりました。昨年度のタイトル戦では王位戦七番勝負、叡王戦五番勝負、竜王戦七番勝負で藤井王位(現五冠)を相手にすべて敗退し、現在は無冠となっています。今年度は当然、無冠返上の期待がかかるところです。

 豊島現九段が王将戦リーグを勝ち抜き、タイトル戦に初めて登場したのは2010年度、まだ20歳8か月のときでした。

 超大型ルーキーの伊藤五段。もし今期王位戦で挑戦権を獲得すれば、七番勝負登場時点で19歳8か月。十代でのタイトル挑戦は史上5人目となります。

 もし伊藤挑戦者となれば、相手の藤井王位も19歳。史上初、十代同士のタイトル戦実現の可能性も秘めています。

 近藤-佐々木戦、近藤七段は勝てば4勝1敗。トップが4勝1敗で複数人並ぶ場合、優勝者は規定によりプレーオフによって決められます。

 佐々木新七段は先日、竜王ランキング戦5組で決勝進出を決め、連続昇級の規定を目指して昇段も決まりました。

 佐々木七段は前期王位リーグ、最終戦で羽生善治九段に敗れて優勝は逃しましたが、3勝2敗で残留を果たしています。

 佐々木七段は今期、近藤七段に勝てば3勝2敗です。3勝2敗が3人並んだ場合には「該当する直接対決>前期成績(前期リーグ勝星>前期予選勝星)」という規定で残留者が決まります。以下の場合分けの通り、佐々木七段は勝てば、豊島-伊藤戦の結果にかかわらず残留です。

 紅組、白組ともに混戦で迎える最終戦。はたしてどのような結果となるでしょうか。

将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)など。

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