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「雪害には慣れているはずなのに」震災の朝コンビニやホームセンターの行列にショックを受けた北海道在住者

井出留美食品ロス問題ジャーナリスト・博士(栄養学)
(写真:アフロ)

北海道で発生した震度7の地震で停電した中、すぐに営業をスタートさせたコンビニ、セイコーマートが賞賛されている。2018年9月22日付の北海道新聞は、<9.6胆振東部地震 その時企業は>セコマ神対応 現場が決断 なお続く危機と題した記事を掲載した。停電で停止したレジを車のバッテリーと繋ぎ、ご飯を炊き、おにぎりを握ったという。

多くの人が「神対応」と褒めるのは当然だ。災害発生の非常時に、現場のリーダーである店長が即座に決断し、すぐに行動に移した実行力。食べ物を求めて並ぶ人々のためを考えて、普段作っていないおにぎりを作って売るという臨機応変さ。なかなかできることではない。普段から、地域住民のために営業している店長や店員の想いや姿勢が伝わってくる。

IHオール電化の家が、停電で何もできずにホームセンターに駆け込んだ

一方、北海道に長年住んでいる人は、震災の朝、コンビニやホームセンターに並ぶ人々の行列に、別の意味でショックを受けたという。

(北海道人は)雪害を経験しているので、備えはある程度出来ているものと思っていました。

せめて「カセットコンロ」ぐらいは常備しているものだと。

IHオール電化の家が、停電で何もできずにホームセンターに駆け込んで・・・

震災の日の朝の、たくさんの行列に、別の意味でショックを受けました。

これで、水道やガスも止まり、停電がもっと長引き、氷点下20度の真冬だったらと思うと・・・

出典:北海道に長年暮らしている人の言葉、2018年9月23日

「IHオール電化の家が停電で何もできない」という話は、2011年3月11日の東日本大震災の時にいくつも聞いた。ちょうど、不動産業界で「オール電化」を謳ったマンションの売り出しも増えてきた時期だった。

北海道でも「牛乳、納豆は品薄、品切れ」

2018年9月16日付の北海道新聞では、北海道でも牛乳や納豆が品薄だと報じている。

前述の、北海道に長年暮らしている人も、牛乳や納豆の品切れが多いと語っている。

コンビニは、昨日辺りから牛乳や納豆が復活してきました。入荷数が少なく、仕事が終わってから行くといつも品切れです。

棚が空っぽという、理想的な状態になっています。

その前にいっぱい廃棄したのですけども、新しく入ったモノは「売り切れ」。

出典:北海道で長年暮らしている人の言葉、2018年9月19日

「神対応」と褒めるだけでなく「自助」を

冒頭のコンビニは、素晴らしい対応だ。防災の対応として「自助・共助・公助」の3つが言われるが、これこそ「共助」だ。

ただ、自らが自らの身を助ける「自助」があってこその「共助」であり、「公助」ではないだろうか。

茨城県つくば市「自助、共助、公助で備える」

茨城県つくば市「災害から身を守ろう(自助)」
茨城県つくば市「災害から身を守ろう(自助)」
食品ロス問題ジャーナリスト・博士(栄養学)

奈良女子大学食物学科卒、博士(栄養学/女子栄養大学大学院)、修士(農学/東京大学大学院農学生命科学研究科)。ライオン、青年海外協力隊を経て日本ケロッグ広報室長等歴任。3.11食料支援で廃棄に衝撃を受け、誕生日を冠した(株)office3.11設立。食品ロス削減推進法成立に協力した。著書に『食料危機』『あるものでまかなう生活』『賞味期限のウソ』『捨てないパン屋の挑戦』他。食品ロスを全国的に注目させたとして食生活ジャーナリスト大賞食文化部門/Yahoo!ニュース個人オーサーアワード2018/食品ロス削減推進大賞消費者庁長官賞受賞。https://iderumi.theletter.jp/about

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