線状降水帯が発生したらどうすればいい?前線+台風で東海・関東はこれから雨のピークに:気象予報士解説
28日は広い範囲で雨が降っていて、すでに九州ではピークを越えつつあるものの、中国・四国~関東にかけては午後もバケツをひっくり返したような雨が降るところがありそうです。
24時間で最大350ミリの雨が予想され、線状降水帯の発生予測情報も出ている中、最低限すべきことは?
大雨のピークは
すでに沖縄~西日本の各地で大雨警報、そして香川県・徳島県では土砂災害警戒情報が出ていますが、このあと中国・四国では昼過ぎにかけて、近畿では夕方にかけて、東海では夜遅くにかけて、関東は夜~29日未明に激しい雨のピークを迎えそうです。
また、28日日中は鹿児島県(奄美含む)、高知県、徳島県で、そして午後は愛知県・岐阜県・静岡県で線状降水帯が発生するおそれがあると気象庁が情報を出しています。
29日朝にかけて最大で350ミリの降水量が予想されていますが、大部分は上記のピーク時間帯のうちに集中する見通しです。
このほか北陸でも28日夜にかけて雨が強まるところがありそうですから、能登半島地震の被災地では崩れやすい場所に近づかないようにしましょう。
線状降水帯が発生したらどうすればいい?
一般に、1時間あたりの降水量が30ミリ以上になると山や崖の近くでは災害の危険があり、50ミリ以上になると山や崖が近くになくても浸水などの被害に遭うおそれが高まります。
では線状降水帯はと言うと、場合によっては1時間に100ミリほどの猛烈な降り方になることもあるため、場所に関わらず一気に災害に巻き込まれてしまうおそれがあるのです。
そのため、発生が予測されている地域ではできるだけ外での作業をあらかじめ避けるようにして、常に情報を取れるようにしておきましょう。
そしてテレビやスマートフォンの速報で発生が伝えられたら、すぐに安全な場所に移動するようにしましょう。安全な場所とは、アンダーパスなど浸水しやすいところよりも高い場所や、土がむき出しになっている斜面から離れた場所や、小さな川から離れた場所・岸より高い場所などです。
ここで「小さな川」と書いたのは、大きな川であれば洪水が発生するまでに比較的時間の猶予があるのに対して、小さな川だと線状降水帯の発生によってわずか15分ほどで氾濫してしまうことがあるためです。
ふだん川だと思っていないような小さな用水路でも、線状降水帯が発生するような場合には命に危険がおよぶようなあふれ方をすることがあります。
29日は一転、真夏日に
29日は雨が残る関東でも未明までにやむ見込みで、広い範囲で日差しが戻りそうです。最高気温は東京28度、甲府30度、熊本31度と、本格的な熱中症対策が必要。
一方で北海道~北陸にかけては雨が降るところが多いでしょう。
なお台風1号はこのあと29日~30日にかけて沖縄の大東島地方に接近したあと、31日(金)頃に関東の南の海上を通過する見通しです。31日(金)は関東周辺では台風の北側の雨雲がかかる可能性があり、最新の予報を確認してください。