【川崎市長選挙2021】公開討論会開催!議論の全容をわかりやすく解説
2021年10月5日、川崎青年会議所主催の川崎市長選挙に向けた公開討論会が開催されました。
参加したのは、現職市長で3期目を目指す福田紀彦氏(無所属)と、前回福田氏に惜敗した市古博一氏(民主市政を作る会)です。
この討論会では、各候補予定者がプレゼンをして議論をする以外にも、地元・川崎市の若者からの質問に各候補予定者が答えるなど、型にはまらない議論が行われたのではないかと感じます。
今回は、1時間及ぶ討論会で何が議論されたのか、わかりやすく解説していきます。
※この記事は、特定の人物を支持する記事、または支持を促す記事ではございません。
※候補予定者の発言は原文のままではなく、筆者がわかりやすく編集したものとなっています。
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政策理念など、出馬にあたって
福田氏
「川崎市を「最幸のまちかわさき」にすると掲げてきました。
その柱は、”安心なふるさと作り”と、”力強い産業都市”の二つをバランスよく回していく事が大事だと思っています。」
市古氏
「前回の市長選挙以降、福田市政を見てきましたが、やはりこのまま福田市長に任せていては、子どもから高齢者まで安心して暮らせる街にはならないと思い、二度目の出馬を決意しました。」
冒頭から、市古氏の福田市長への対立姿勢が目立ちます。この先の議論では、市古氏が何に問題意識を持っているのかも注目です。
街づくり計画
福田氏
「新陳代謝をしなければ、持続的な発展はありません。
川崎市は(最初の)開発から50年経った街です。もう一度各地域拠点を開発し、公園の新設や道路の拡充など街をリフレッシュする事が、持続的な発展に繋がると考えています。
財源が必要な”開かずの踏切”などにも、計画的に投資を行っていきます。」
市古氏
「住民の声を聞いて取り組んでいきます。
住民合意のない開発や、都市計画は見直しをします。
現在行われている武蔵小杉や鷺沼の再開発は、市民の声を聞いていません。実際に地域からはそうした声も多く聞きます。」
福田氏
武蔵小杉の再開発は、大規模工場が撤収した後の空き地における乱開発を防ぐ為に行った計画的な開発です。
計画的な再開発を進めて行きたい福田氏と、再開発をやめたい市古氏の意見が完全に別れました。市古氏が、実際に地域住民の実名を出して「○○さんが~と言っている」と福田市政への問題を提起した事は印象的です。
教育
市古氏
「行政は、教育内容に口を出すのでは無く、教育条件の整備充実に力を注ぐべきだと思います。
どんな教育をするかは、子どもの事を一番知っている地域の教員や保護者に任せるべきです。
学校と地域を支援して、より良い環境を保障していきます。
校舎の老朽化、子どもの増加による教室不足が課題です。
まずは、少人数学級を川崎市独自で実現します。」
福田氏
「日本の教育は履修主義ではなくて習得主義に変えるべきです。
つまづいたら、どんどんわからなくなる現状があります。
少3から中3まで学習状況調査テストを毎年行い、1人1人が何が出来ないのか、生徒本人、学校、教育委員会として把握していきます。
また、少人数学級については私も公約に掲げています。環境整備をするにしても、財源や場所の問題などしっかりと考えて進めて行かなくてはなりません。」
教育についても、教育環境に重点を置く市古氏と、教育システムに重点を置く福田氏で意見が分かれます。しかし、福田氏も教育環境を無下にしている訳ではなさそうです。
防災
福田氏
「大災害を前提としたインフラ対策、データに基づいた効果的な対策、地域特性にあわせた対策を行っていきます。
実際に多摩川上流の稲城市と連携するなど、ソフト面も取り組んでいます。」
市古氏
「水害の無い、安心して暮らせる街を作ります。
行政のミスで、2019年の豪雨の際には甚大な被害が発生しました。川崎市を被告に住民は裁判起こす事態です。
また、臨海部のコンビナートの防災問題もあります。
コンビナート上空の飛行は禁止でしたが、昨年3月から新飛行ルートが再開し、(川崎市は)住民の声を聞かずに国の要請に従いました。
災害は多岐に渡りますが、被害を受けている方の話を聞いて進めたいと思います。」
福田氏
「羽田空港の離発着を増やす事は日本にとって重要な事です。これと安全対策とを両立させる事が大事だと思います。」
市古氏のやや攻撃的な主張が目立ちます。
またこの議論では、福田氏が「議会でも共産党さんからそういった質問を頂いていますが・・・」と繰り返して発言していた事から、市古氏が「私は共産党では無く、あくまで『民主市政をつくる会』の候補です。」と主張する場面もありました。
確かに、市古氏は妻も子も共産党の政治家(妻は元職)ですし、市古氏本人は共産党の推薦を受けていますから共産党と言ってしまう福田氏の気持ちもわからなくありません。
出産・育児
市古氏
「子育てするなら川崎で。
小さい子どもを持つ若い世代の市外転出が顕著であり、これは子育て支援や公園などの整備が不十分であるからだとアンケートで明らかとなっています。
また、待機児童0と発表されましたが、隠れ待機児童がいる状況はまだ続いています。
園庭のある保育園を作り、幼稚園の入園料補助大幅増額を実現していきます。」
福田氏
8年前(福田氏が就任した年)は待機児童が神奈川ワースト1でした。
しかしそこから、保育園数を2倍以上に増やしました。
ただ、共働き率がわずかの期間で約20%もあがるのは保育園を作っても作っても足りない状況です。
まずは、子育ての不安を解消できる、相談できる環境整備を行っていきます。
園庭がある保育園は無理ではないですが、それを前提にすると、保育所整備は進みません。
市古氏の主張では設備や金銭的な支援が目立つのに対して、福田氏はコミュニティ形成や支援という方向性である事がわかります。川崎市の財政状況やその他の課題も鑑みて、どちらに軸足を置くべきか考えてみても良いかもしれません。
一連のテーマでの議論が終わると、討論会は若者からの質問に各候補予定者が答える形式に変わりました。
地元に住む10代20代の意見にどう答えたのでしょうか。続きを読みたい方は、こちらをチェック↓↓
川崎市の若者からの質問はこちら:若者からの質問-【川崎市長選挙2021】公開討論会開催!議論の全容をわかりやすく解説|なかはらPR
※この記事は「なかはらPR」より転載しております。オリジナル記事が読みたい方はこちらからご覧下さい。
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