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復帰戦間近、WBCミドル級王者が練習を公開

林壮一ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属
Andrew Hemingway/SHOWTIME

 2年5カ月ぶりのリングに上がるWBCミドル級世界チャンピオン、ジャーモール・チャーロ(33)。32戦全勝22KOの現役王者ではあるが、ブランク中に暴行容疑で逮捕・起訴されたり、メンタルを病んだりと、マイナス面ばかりが伝わってきた。

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 そんなチャーロが先日、練習を公開した。写真からも読み取れるように、何かを吹っ切ったような表情である。

 WBCミドル級チャンプは言った。

 「自分の居場所に戻れることに興奮している。ボクシングをもう一度学び直しているところだ。毎日がとても新鮮だ。同時にスリルも感じる。今回のファイトで世界に衝撃を与え、俺が依然としてトップであることを示したい。その為にも、命を懸けているんだよ。

 心を安定させ、前向きになれない時、多くの人がメンタルヘルスに思いを馳せる。俺もそんな調子だった。誰にも説明できない状況にあり、常にそれを盾にしていた。学習経験を通じて、それを乗り越える必要があった。この間に俺が学んだことは忍耐だ。自分のペースで復帰の準備をし、自らの意志でリングに戻ってきた。今は精神面が充実している。だからこそ、戦うんだ。

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 対戦相手のホセ・ベナビデス・ジュニアは、自分の名を残したいって望む選手の一人だな。ただ、それだけさ。俺と戦えば注目されるわな。彼は俺と是が非でも戦いたかったんだろうよ。俺もその気持ちを真剣に受け止めている。彼の言葉を軽々しく聞き流してはいないよ。

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 ヤツが俺と戦いたがっているのは、おそらく弟への復讐なんじゃないの。俺を倒せば、弟よりも評価を得られるからね。チャーロ兄弟とベナビデス兄弟には、色んな因縁がある。

 兄弟同士がライバルってことにしたいなら、それでもいいぜ。 俺は2年ぶりに戻ってきた。言い訳はしない。戦うためにここにいる。

Andrew Hemingway/SHOWTIME
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 俺は個人的に彼を尊敬していない。自分自身をリスペクトしていて、この試合に向けて全てを捧げてきた。俺は彼に鋭いパンチを当て奇麗にノックアウトするよ。

 来年はもっとリングにあがりたい。2、3戦はしたいね。俺はジムで集中力を保っている。うまくいけば、ファンが見たいと思うような大きな試合の1つが実現するんじゃないか。メインイベントの勝者か、あるいはカネロあたりとの試合が具体化するかもしれない。他人からどんな風に言われたとしても、俺はただ戦いたいだけなんだよ」

 ブランクは彼にどんな変化をもたらしたのか。ゴングまで1週間となった。

ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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