どこよりも「安定」しているチームはここ。とはいえ、このままではポストシーズンにはたどり着けない
アリゾナ・ダイヤモンドバックスが、メジャーリーグ記録を作った。スタッツ社によると、ダイヤモンドバックスは勝率.500±2ゲーム以内を57試合続け、2007年のオークランド・アスレティックス(56試合連続)を抜いて、1シーズンの最長記録を打ち立てたという。
借金が2よりも増えない代わり、貯金も2を超えないということだ。
この夏、ダイヤモンドバックスは、ザック・グレインキーをヒューストン・アストロズへ放出した。そのことを踏まえると、ダウンしていないのは健闘と言えよう。7月31日時点の勝敗は54勝55敗。8月は12勝11敗だ。
ただ、アップもしていないので、ポストシーズン進出の可能性は、徐々に下がっている。前半戦を終えて、ワイルドカードの2番手まで1.5ゲーム差だったのが、7月末の時点では3.5ゲーム差、現在は4ゲーム差となっている。
グレインキー放出と同じ日に獲得した先発投手のうち、マイアミ・マーリンズから移ってきたザック・ギャレンは、4登板で防御率2.25を記録しているが、シアトル・マリナーズから移籍したマイク・リークは、同じく4登板で防御率8.02だ。ダイヤモンドバックスは、ギャレンが登板した4試合で3勝を挙げ、リークが登板した4試合で3敗を喫した。トータルでは4勝4敗だ。
このまま水平飛行を続けるのではなく、貯金を3以上に増やし、ポストシーズンにたどり着くには、ロビー・レイの快投が不可欠だろう。その力はあるはずだ。昨シーズンも今シーズンも防御率は3点台後半ながら、2017年はリーグ4位の防御率2.89を記録している。ここ2シーズンも、高い奪三振率は変わっていない。また、スタットキャストのデータでは、スライダーとカーブのいずれも、3シーズンとも空振り率40%を超えている。レイは8月半ばに腰を痛めたが、最短の10日間で故障者リストから戻ってきた。
夏のトレード市場では、グレインキーだけでなく、レイにも放出の噂が出ていた。ただ、ダイヤモンドバックスは、数球団から引き合いが来ていたレイを、安く売ろうとはしなかった。MLBネットワークのジョン・ヘイマンらによると、ダイヤモンドバックスはニューヨーク・ヤンキースに対し、レイの交換要員として、クリント・フレイジャーとクラーク・シュミット(2017年のドラフト全体16位)を含む4人を要求したという。