お彼岸が待ち遠しくなる本家の味!京都「鳴海餅本店」さんの柔らかな糯米と甘さ控えめあんこの五色おはぎ
ここ数年、流通利便が向上し、遠方に行かずとも事前予約等で自宅まで、もしくはデパートなどで自宅から離れた土地のお菓子を購入することができるようになりましたね。手元に届くまで、口に運ぶまで携わってくださった皆様に感謝です。
更に嬉しいことに、お日保ちが当日中の朝生菓子と呼ばれる和菓子も受け取ることができるようになりました。
来年京都にて創業150周年を迎える「鳴海餅本店」さん。歳時記や食卓に彩りと安らぎを提供してくれるような和菓子をお作りになっており、京都のみならず都心でもファンの多い老舗です。
今回はお彼岸ということもございますので、鳴海餅本店さんの「おはぎ」五種類をご紹介。
通常は粒餡ときなこのお取り扱いですが、お彼岸の間はこし餡、青海苔、胡麻が加わります。開封した瞬間の香ばしさといったら…。
定番ともいえる粒餡は舌先で潰せるほど柔らかく炊き上げられた小豆がたっぷり!実直で素朴、小豆そのものの旨味や風味で口の中が満たされ、さらに加わるクリアな糯米のハーモニーにリラックス。いかに粒餡を、小豆を美味しく炊き上げていらっしゃるかに頷いてしまいます。蜜の甘さではなく、炊き上げ具合とそこから溢れ出す滋味深さにしっとり浸ることができました。
そうそう、個人的には胡麻のおはぎが最も糯米の特性が発揮されていると思いました。
佐賀県産ヒヨクモチという糯米は冷めても柔らかく、適度な粘り気と甘味がしっかり顎を動かして噛みしめる幸せを演出。しっとりとしたこし餡、複数の胡麻が織り成す仄かな渋みが脇を固めます。
関東住まいの我が家にて好評だったのが、こちらの青海苔のおはぎ。ここ数年色とりどりのあんこや果実、食材をトッピングしたおはぎが出回るようになりましたが、活き活きとした磯の涼香をも運ぶ青海苔は風情がありますね。海苔特有のほのかなミネラル分でしょうか。塩気のような口当たりがあっさりとした糯米やこし餡を引き立たせると共に、同じトーンで口の中でひとつに。
全て青海苔で支配されるのかと思う方もいらっしゃる方もいるかと思いますが、そこは心配無用です。
自分が住まう地域の食文化とは異なる味覚に触れてもなお、日々の慌ただしさに上がってしまう肩をそっとさすってくれるかのような日常の和菓子を、ご先祖様の思い出と共に噛みしめるひとときはいかがでしょうか。
最後までご覧いただきありがとうございました。
<鳴海餅本店>
公式サイト(外部リンク)
京都市上京区下立売通堀川西入西橋詰町283
075-841-3080
8時30分~17時
不定休