温泉の季節到来!全国3700湯を巡ったマニアが教えるインスタ映えする「雪見風呂」3選
冬の冷え込みが厳しい季節になった。そんな時期に恋しくなるのが温もりあふれる温泉である。
冬の温泉をとことん愉しむなら、雪見風呂がおすすめだ。雪の美しさを間近に感じながら、極上の湯でぬくぬくと温まる。日本の冬だからこそ体験できる最高の贅沢である。
そこで、全国3700超の温泉をめぐってきた温泉ライターである筆者が、インスタ映えもする雪の温泉をおすすめする。
湯西川温泉(栃木県)
栃木県日光市にある湯西川温泉は、鬼怒川温泉からさらに電車とバスを乗り継いでたどりつく辺鄙な場所に湯けむりを上げている。
壇ノ浦の合戦に敗れた平家の落人が、河原に湧き出る温泉を見つけ傷を癒したと伝えられる歴史の古い温泉地。落人が身を隠すような土地だから山深く、積雪も多い。
普段はひっそりとした静かな温泉地だが、「かまくら祭」が開催される時期には、温泉街は多くの観光客でにぎわう。
かまくら祭の期間中、温泉街には飲食を楽しめる大きなかまくらがつくられ、さまざまな雪を活用したイベントが用意されている。
必見なのは、「沢口河川敷のミニかまくら」。夜、温泉街の河川敷につくられた数百個もの小さなかまくらの一つひとつに、ろうそくの明かりが灯る。
無数のオレンジの光がゆらゆらと揺れる風景は幻想的で、まさにインスタ映えする絶景。「日本夜景遺産」にも認定されている。
今冬は、2023年1月27日(金)~2月26日(日)の開催が予定されている。
雪見風呂を楽しむなら、創業1666年の老舗宿「本家伴久」がおすすめ。
冬場には露天風呂の対岸に絶景が現れる。滝などが氷結したものを「氷瀑」というが、露天風呂から巨大な氷瀑を見ることができる。実はスタッフが人工的につくっているそうだが、いくつもの氷の柱がそびえ立つ様は見事。夜はライトアップされて幻想的だ(2月上旬~3月下旬)。
湯西川温泉 本家伴久
〒321-2601 栃木県日光市湯西川749
HP:本家伴久
会津東山温泉(福島県)
奈良時代の僧・行基によって開湯されたと伝えられる歴史ある古湯・東山温泉。江戸時代には会津藩の湯治場として栄え、会津若松の奥座敷として発展してきた。
木造の建物が国の有形文化財に登録されている老舗宿「向瀧」では、冬の季節限定の絶景を見ることができる。
「雪見ろうそく」だ。山の斜面につくられた中庭に降り積もった雪の中に、ろうそくを入れた竹筒を挿し立てる。雪ろうそくは100本弱。
手づくりの竹筒は、花の形にくりぬかれていて、火を灯すと、雪の上にオレンジ色の花が咲き、ゆらゆらと揺れる。幻想的だ。ローソクの光はあたたかく、ぬくもりがある。回廊のほか、一部の客室からも、この幻想的な光景を目にすることができる(今年は2022年12月17日から2023年02月28日まで)。
温泉も超一級である。最も歴史のある「きつね湯」は、御影石でできた内湯のみのシンプルな浴室。レトロな雰囲気で、内湯好きにはたまらない空間である。ナトリウム・カルシウム‐硫酸塩・塩化物泉の源泉が100%かけ流しにされている。
会津東山温泉向瀧
福島県会津若松市東山町大字湯本川向200
HP:向瀧
稚内温泉(北海道)
極寒の地、稚内には日本最北端の温泉が湧いている。ノシャップ岬の近くにある日帰り温泉施設「童夢」だ。
冬場に訪れれば、ほぼ間違いなく雪見風呂を楽しめる。さらに、晴れていれば、露天風呂からは日本海に浮かぶ利尻島と礼文島を拝むこともできる。
真冬は氷点下が当たり前。露天の湯船に身を沈めると、頭はキンキンに冷えるのに、首から下はポカポカ。不思議な感覚だ。
泉質は塩化物泉。「熱の湯」といわれるほど保温効果がある。体が熱くなるたびに湯船の縁に上がってクールダウンするが、すぐに外気に耐えられなくなり、再び湯船へ。それを繰り返すうちに血行がよくなったのか、汗が止まらなくなる。
温泉施設にかぎらず、あたりは一面雪に覆い尽くされている。まさにインスタ映えする風景ばかりである。
稚内市健康増進センター 稚内温泉「童夢」
〒097-0027 北海道稚内市富士見4丁目1487番
HP:童夢