意外と長いな、子供達のテレビやビデオなどの視聴時間
平日でも2時間前後はテレビを観ているいまどきの子供達
昨今ではゲームやソーシャルメディアに主役の座を奪われそうではあるが、テレビやDVDソフトの視聴が子供達にとって欠かせない娯楽には違いない。「テレビばかり観て」とは親のお小言の常とう句だが、それでは普段はどれ程視聴しているのだろうか。少年教育振興機構が2014年6月に発表した「青少年の体験活動等に関する実態調査」報告書の結果をもとに、子供達のテレビなどの視聴動向の実態を確認していく。
次に示すのは平日のテレビ、ビデオ、DVDソフトなどの平均視聴時間。「観ること」なのでインターネットテレビにおける操作やテレビゲームのプレイ時間、携帯電話などによるワンセグでの視聴は含まれない。なお別調査(総務省情報通信政策研究所が2014年9月に確定報を発表した「平成25年 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」など)から、子供世代ではワンセグを使ってテレビ番組を視聴する機会はほとんど無いとの結果が出ている。
調査対象となる学年内では小学6年生がもっとも視聴時間が長い。2.11時間。つまり約2時間7分。そして中学2年生と小学5年生が横並び。高校2年生は部活動などで帰宅が遅くなり時間が取れなくなるからなのか、視聴時間は一番短く1.72時間、約1時間43分。ちなみに、さすがにテレビを観ない人はどの学年でも数%でしかないが、それでも高校2年生では5.6%の値が確認できる。
これを調査対象母集団全体における経年変化で見たのが次のグラフ。
2009年度まではほぼ横ばい。2010年度以降はいくぶん下げ基調、直近の2012年度では有意な下げが確認できる。詳細データで確認の限りでは、特定の学年ではなく、対象学年すべてで時間の短縮化が生じている。このことからイレギュラーな動きでは無く、子供達の間でテレビ離れ的な動きが起きた可能性がある。
女子の方がテレビ好き
直近の2012年度分に関して、各学年の視聴時間を男女別に仕切り直した結果が次のグラフ。
小学4年生では男子の方が長く、小学5年生では横並びとなる。しかしそれより年上では女子の方が視聴時間は長い。具体的に何を観ているかまでは今件調査からは判断できないが、他の各種調査でもテレビへの執着は中堅層までは女性、高齢層になると男性の方が強いことが知られており、男女間の差異の逆転は小学4年生から6年生の間に起きているのではないかと思わせる結果となっている。
また上記にある通り中学2年、高校2年と年上になるに従い視聴時間が減るが、その減退傾向は男女ともに生じている。時間が減る理由は男女ともに存在していそうだ。
今件調査は2013年初頭に行われたもので、次年度分は2014年初頭に行われるはず。この数年で中高生を中心に浸透したスマートフォンが、テレビなどの視聴時間にどのような影響を与え、その結果が数字となって表れるのか。結果が楽しみではある。
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