60代前半で歯の数は24.8本…中年層以降の歯の数(最新)
虫歯や事故、歯肉の衰えなど多様な理由により、人の歯は欠落してしまうもの。永久歯はすべてそろって32本(親知らずを除けば28本)だが、年齢とともに減少が想定できる歯の残数はどれほどなのだろうか。厚生労働省が2023年12月に発表した歯科疾患実態調査(※)の2022年調査分の概要から、その実情について確認していく
次に示すのは歯の残り本数が気になる40代以降における、永久歯の平均的な本数。今件でカウントされる歯の数は、健全な状態が維持されたままの歯に加え、「う歯(齲歯。齲蝕した歯。いわゆる「虫歯」)」の状態の歯、詰め物などをして治療した充填歯、かぶせ歯・差し歯のようなクラウンと呼ばれる状態の歯も含まれる。
美味しい食事ができる基準の一つ「自前の歯が20本以上ある状態」を80歳の時点でも維持できるようにとの指標「80歳で自分の歯が20本以上ある人(俗に「8020達成者」と呼ぶ)」の割合は2022年時点で半数を超えているが、全体的な平均値としては80歳では16.9本((18.1+15.6)÷2)であることがわかる。平均値で20本に達しているのは、全体でも、男女別々でも70代前半まで。
男女別ではおおよそで女性の方が本数が多い。男性よりも女性の方が歯の健康に留意している人が多いからだろうか。
これを過去の動向から合わせ、全体の平均推移を見たのが次のグラフ。
1987年までは年齢の区分上限が「80歳以上」だっため、「80代後半以降」の値が1987年までは無く、「80代前半」の値の連続性は無い。とはいえ、それを除いても、一部年齢階層で1970年代までは減少する動きもあったものの、おおよそ歯の本数は増加する傾向にある。これもひとえに公衆衛生・健康の啓蒙と各種医療技術の成果といえるだろう。
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※歯科疾患実態調査
歯科保健状況の把握のために必要な資料を構築するため、1957年以降原則6年毎に実施しているもの。今回概要が公開された2022年分については、国民生活基礎調査において設定される地区からさらに抽出した300単位地区の満1歳以上の世帯員を調査客体としている。調査対象者数は男性1239人・女性1470人の計2709人。一部は質問紙調査だけでなく口腔診査受診も実施している。
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