昼寝はどのくらいするべき?何時に起こすべき?難しい乳幼児の昼寝を専門家が解説!
大人と子どもの睡眠で、大きく違う要素の1つが昼寝。大人は休日ゆっくりしたい日や疲れが溜まった日に昼寝をすることはあっても、毎日昼寝を習慣にしている人はなかなかいないのではないでしょうか。
しかし乳幼児は違います。0歳の赤ちゃんから3〜5歳くらいまでのお子さんは昼寝が必要です(昼寝が必要なくなる時期はお子さんによって個人差があります)。
子供は日中の睡眠と夜間の睡眠を合わせたトータルの睡眠で疲れをとっているため、昼寝が少ないと夜に疲れすぎてしまうこともあります。
一方で、昼寝をしすぎてしまい夜なかなか眠れなくなってしまって就寝時刻に悪影響があることもあります。
そう考えるとバランスが難しい昼寝の時間。この昼寝の時間について、どのくらいが適切なのか目安となる時間はあるのか、乳幼児睡眠コンサルタントねんねママが解説していきます。
昼寝は何時からが理想?
昼寝と一口にいっても、月齢によっては日中の睡眠が複数回必要な月齢もあります。
目安として、
新生児〜生後3ヶ月ごろまでは何回でもたくさん、
3〜6ヶ月ごろは3〜4回、
6〜9ヶ月になると朝寝・昼寝・夕寝の3回、
9ヶ月ごろからは朝寝・昼寝の2回になりはじめます。
1歳をすぎた頃から徐々に昼寝が1回になってくる子が現れ始め、1歳半くらいまでの間には1回に統一されます。
そのため、昼寝が何時からかというのは月齢によって異なりますが、夜泣きや寝ぐずりなどのトラブルを防ぐために注目したいのは最後に昼寝から起きる時間です。
赤ちゃんは長い時間連続で起きていると疲れてしまって、脳が興奮状態になってしまうことがあります。イメージとしては脳の中での理性的な部分が寝てしまって、感情的な部分が暴れているような状態です。そうなると「眠い!なのにうまく寝られない!不快だ〜!」といった感情が爆発してしまい、泣いてぐずって寝られないという状態につながってしまいます。
このようなトラブルを防ぐためには、疲れすぎてしまう前に寝かしつけをすることが重要です。だからこそ、最後に昼寝から起きた時間から就寝までの時間が長すぎないことが、夜泣きを防ぐために重要なのです。
これはあくまで一例であり、その通りである必要はありませんがお昼寝時間の例をいくつか挙げてみます。
[生後7ヶ月/昼寝3回]
・朝寝 9時〜10時
・昼寝 12時半〜14時
・夕寝 16時半〜17時
・就寝 20時
[生後10ヶ月/昼寝2回]
・朝寝 9時〜10時
・昼寝 13時〜15時
・就寝 20時
[1歳6ヶ月/昼寝1回]
・昼寝 12時半〜15時
・就寝20時
長く寝られないお子さんの場合は細切れに睡眠をとることもあれば、反対に1回で長く寝るお子さんであれば長めに起きていても元気で機嫌よくいられるケースもあります。
お子さんの様子を観察して、夜泣きや寝ぐずりなどのトラブルがあるようであれば上記を参考に調整してみてください。
月齢別・推奨睡眠時間
「うちの子は昼寝が短いタイプなのでは?」「うちの子はこんなに寝て、寝過ぎなのでは?」といったようなことを考えたことのある方もいらっしゃるかもしれません。
こちらの表をひとつの目安としてこの範囲を心がけていただくと良いと思います。
一方で、その範囲の中でないといけない!と考えて苦しんでしまうのは本末転倒なので、元気で機嫌よく過ごせていればOK!と考えていただくことも重要です。
推奨睡眠時間の範囲よりも長い睡眠が必要なお子さんもいれば、短くても元気に過ごせるお子さんもいます。ご自身のお子さんはどのくらいの睡眠時間が確保できていると元気に機嫌よく過ごせるのかな?と考えてみると良いと思います。
快適な昼寝のための睡眠環境とコツ
昼寝に多いお悩みとしては「30分で起きてしまう」「夕方になると寝てくれない」などが挙げられます。
これらのお悩みの中にはぐっすり昼寝をしてもらうために大切な要素が含まれています。
例えば「30分で起きてしまう」という問題。起きてしまう理由の一つとして睡眠環境が整っていないことが挙げられます。
よくあるのが明るい部屋で寝ていること。明るい部屋での昼寝が絶対にNGということではありませんが、暗い部屋のほうが質のよい眠りをとることができるので、短く起きてしまうことに悩んでいる場合は部屋を真っ暗にしてみることをおすすめします。
遮光カーテンを引いて、電気を消して(豆電球含め)、真っ暗な中で寝かせるだけで長く寝てくれることが期待できます。
そんなに暗くしてしまったら昼か夜かわからなくなってしまわないの?と疑問を持たれるかもしれませんが、大丈夫。人間にはサーカディアンリズムという体内時計のようなものがあり、体の中でいまが何時なのかを刻むことができているので、真っ暗な場所で昼寝をしたからといって混乱してしまうことはありません。
ただし、このサーカディアンリズムは生後1ヶ月半〜3ヶ月ごろまでに身についてくるものなので、それ以下の月齢の赤ちゃんについては真っ暗な場所で昼寝をとると混乱してしまう可能性もあります。ある程度、昼夜の区別がつく前までに限っては、昼は明るい場所でお昼寝をとることをおすすめします。
また、室温や服装もぐっすり眠りためには重要な要素。外から帰ってきたままの上着を着ていたり、暖房で部屋をあたためすぎていたりすることも眠りを阻害する要因になります。赤ちゃんは体温調節が苦手で大人よりも暑がりなので、大人が暑いと感じる室温や服装だと眠りを邪魔してしまいます。
おうちに帰ってきたら上着は脱がせて、おしゃれをしていた場合はリラックスできる服装に着替えさせてあげましょう。室温は夏なら25〜27度、春秋なら20〜22度、冬なら18〜20度くらいを目安に調整してあげることをおすすめします。
また、「夕方になると寝てくれない」というお悩みもよくあるものですが、夕方は実は人間の身体的に最も寝づらい時間帯なのです。しかし、最後に昼寝をした時間から就寝までの時間が空きすぎないことが重要で、そのためには夕寝が必要なお子さんはたくさんいます。
ここでのコツは無理にレベルの高い寝かしつけをしようとしないことです。
レベルの高い寝かしつけとは、セルフねんね(親のサポートなく一人で寝ること)やベビーベッドにおりて寝ることなどを意味します。なんとかして抱っこではなく寝させよう!などと頑張ってもなかなか成果の出づらい時間帯なので、この時間帯だけは癖をとることよりも睡眠をとってもらうことを優先して、抱っこやおんぶなどで寝させてしまうこともおすすめします。
もちろん、セルフねんねができる子やベビーベッドにおりて寝られそうな子はチャレンジしてみるとよいかもしれませんが、無理しすぎることはありません。スーパーに行くついでに抱っこで、夕飯の支度をしながらおんぶで、などのように寝かせてあげましょう。
実は奥の深い昼寝。大人にはない習慣だからこそ、難しいですよね。数字にとらわれすぎず、お子さんが元気で機嫌よくいられるようにお昼寝をとらせてあげてくださいね。