子どもが昼寝してくれない・すぐに起きてしまう理由【専門家解説】
子育て中のパパ、ママの中にはお子さんが
- せっかく昼寝させたのにすぐ起きてしまう
- なかなか寝てくれない
とお悩みの方もいると思います。
その悩み、昼寝の仕組みやコツを知ることで解決できることがあります。
この記事では乳幼児睡眠の専門家であるねんねママ(和氣春花)が、昼寝の仕組みやどうやったら昼寝できるのか、何が昼寝を邪魔するかを10項目に分けて解説しています。
しっかり昼寝ができないと夜泣きや早朝起きにも繋がりますので、お悩みの方はぜひチェックしてみてください!
①早めに寝かせようとしすぎている
そんな当たり前のこと!と思われるかもしれませんが、意外と多いのです。
特に子どもの寝かしつけについて本を読んだり、SNSなどで学ばれている方に多い現象です。
本やSNSを見ると「子どもが疲れすぎるとパニックになって寝づらくなる」という主旨のことが書かれています。これは正しいのですが、それを意識しすぎるあまりに「疲れすぎる前に」と早く寝かせようとしすぎて「寝てくれない!」となっている場合があります。
また、保育園に通われているお子さんは、保育園の時間に合わせて家でも寝かせようとされる親御さんも多いです。しかし、活動内容を見てみると、保育園では園の外に散歩に行ったり活動的に過ごしているのに、休日は起きてからずっと家の中で遊んでいる。それなのに同じ時間に昼寝をさせようとしてもなかなか難しいものですよね。
寝てくれないな…と思ったら、本当に眠そうなのかお子さんの様子をよく観察してみてください。
②納得していない、まだやりたいことがある
それまで元気に遊んでいたり、TVやYouTubeのコンテンツ(これが刺激的なのです)を見ていたのに、急に「時間だから寝るよ!」と言われても寝られないものです。
昼寝の前には決まった就寝儀式(ルーティーン)を行って「このあとはねんねなんだな」と本人が勘づくようなサインを入れてあげることが大切です。
遊びの途中に突然昼寝の時間といわれても泣くのは当然なので、しっかり眠りへの導入をしてあげましょう。
「まだやりたいことがある!」と自我がある子はちゃんと納得してから連れて行ってあげるようにしてください。「これで最後ね」「これとこれやったらねんねしようね」など決めたり、「これかこれどっちやったらねんねする?」など選ばせてあげるとより納得しやすいです。納得して寝室へ行くことが早く眠ることに繋がります。
③眠りへの誘導がない
例えば寝る直前までYouTubeを見ていると目がコンテンツからの刺激を受けている状態になっていますし、リモコンで操作していると余計に脳が活性化されてしまいます。そこからいきなり寝なさいといわれてもいきなり活動スイッチをオフにできないものです。
そのため、眠くなるように、電気を消して少し暗い部屋で絵本を読む、ゴロゴロ遊びをするなどして誘導タイムを作ってあげましょう。
④明るい部屋
昼夜の区別をつけるために、長く寝すぎないために、と明るいまま寝かせようとしている方も多いのですが、明るいと寝付きも悪くなりぐっすり眠れません。
(めやす生後3ヶ月以内の子で、昼夜の区別がまだついていない場合は、昼寝を明るいところでして昼夜の区別を教えてあげたほうが良いケースはあります)
大人の仮眠ならすぐ起きられるように真っ暗にしないことが推奨ですが、子どもがしっかりお昼寝するためには、暗い寝室でぐっすり寝てもらうのが推奨です。
⑤うるさい部屋
仕方ない部分もありますが、日中物音が多い環境だと起きてしまいやすくなります。
外がうるさい場合は、一時的なら少し大きめでもいいのでホワイトノイズ(というザーーサーーーなどの音)を流すと音の壁ができて外の音を防ぎやすくなります。音量は赤ちゃんに使うホワイトノイズは50dBが基準とされています。スマホアプリでdB(デシベルという音の大きさの単位)を測定できるものが無料で出ています。
⑥寒すぎる・暑すぎる部屋
寝るのに快適な室温は20~22度といわれています。しかし日本は寒暖差があるのでそこに合わせるのが難しい時期もありますよね。
目安として夏はエアコンを使って25度前後の室温にすると眠りやすいでしょう。28度になると室内でも熱中症になる恐れがありますので注意してください。
冬は16度以下になると睡眠の質が下がるといわれていますので16度以上、できれば18~20度くらいが快適に眠りやすいです。
また適切な服装も大切です。着る服の枚数は大人マイナス1枚、もしくは服の枚数は同じで掛け布団がないのを目安に調節してください。
⑦きつい服装
例えばウエストがきゅっとしたストレッチがないズボンやサロペットなどは動きにくく眠りづらいです。スタイも首元を締めてしまうので外しましょう。
眠るときは動きやすく、きつくない服装にしてあげましょう。
⑧運動させていない、刺激をいれてない
運動したり刺激をいれていないと疲れないので、眠くなりづらくなります。まだ歩けない赤ちゃんも、散歩に出て風景や自然と触れ合うことで目からの刺激を受けて疲れます。
しっかり身体を動かしたり、特に午前中に日の光を浴びて刺激を受けることを意識しましょう。夜の眠気もそこから作られます。
⑨日にあたってない
⑧に近いですが、大人の私達も太陽の下に立ってるだけで疲れます。
子どもも同様に、日にあたるだけで疲れるものです。日の光を浴びて体内時計をリセットし、疲れを感じるとぐっすり寝やすくなります。
日の光を浴びるとセロトニンという幸せホルモンも分泌しやすくなります。そしてそのホルモンが、夜に眠りを作るホルモン(メラトニン)の材料になります。
⑩触りすぎている
寝かせなきゃ!と子どもがハイハイで寝室のドアに向かったら連れ戻してトントンしたり、抱っこしてゆらゆらしたり、いろんなアクションをしてなんとか寝かせようとしてしまうかもしれません。しかし体に触れることで覚醒してしまったり、遊んでくれていると思ってしまう可能性があるので、できるだけ触らないことが望ましいです。
泣いてしまう場合はトントンやなでなでなどで落ち着かせてあげることも大切なのですが、ただ遊んでいる場合は無理やり捕まえて寝かせようとせず、なるべく刺激しないことを目指しましょう。
おわりに
今回は「昼寝ができない、すぐに起きちゃう理由10選」をご紹介しました。
- 早めに寝かせようとしすぎている
- 納得していない、まだやりたいことがある
- リード(誘導)がない
- 明るい部屋
- うるさい部屋
- 寒すぎる・暑すぎる部屋
- きつい服装
- 運動させていない、刺激をいれてない
- 日にあたってない
- 触りすぎている
心当たりがあれば改善してみてくださいね。
ちなみに、お聞きする相談の中で2歳くらいになると多いのは「寝ぐずりして今までスッと寝てくれていたのに昼寝しなくなった、夜も寝てくれなくなった」というお悩みです。
2歳頃は自我が強めに出てくるのと、思っていることを全て言葉にできなくて「ギャー!」となりやすい時期でもあります。そういう時期こそ①でもお伝えしましたが寝るタイミングを見計らうというのはとても大事で、疲れているだろうなというギリギリまで遊ばせるほうがスムーズだったりします。お子さんの様子を見ながらぜひ一度お試しください。
お子さんのお昼寝がスムーズになって、少しでもママやパパが一息つける時間が増えますように。