梅雨入りしてすぐ梅雨本番!?早くも警戒が必要なエリアは?今年の梅雨の降水量は?:気象予報士解説
20日に沖縄で梅雨明けが発表され、梅雨前線はいよいよ本格的に北上する時期に入りました。21日は西日本を中心に東海・関東にも雨雲がかかり、梅雨入りが発表される地域もありそうです。
例年だと6月上旬に本州各地で梅雨入りしたあと、数週間経って沖縄が梅雨明けしてから本格的に大雨が降りやすくなりますが、今年2024年は本州の梅雨入りが遅れた分、梅雨入りしてすぐに大雨に警戒が必要な地域が出てきそうです。
前線北上で続々と梅雨入りか
20日、気象庁は平年より1日早く沖縄の梅雨明けを発表し、梅雨前線は徐々に北ヘ北へと上がる見通しです。
九州ではすでに20日の時点で非常に激しい雨が降り場所によっては400ミリを超える大雨となっていて、このあと21日午前にかけても鹿児島・宮崎で線状降水帯が発生するおそれがあります。
ただ、前線上の低気圧は東へ進みながらやや南へ下がるため、東海や関東には活発な雨雲はあまりかからず、特に関東に関しては北部など雨がぱらつく程度のところも。
21日の梅雨入り発表が濃厚な近畿・東海と比べると、本降りになる場所が少ない関東甲信は微妙なところですが、後述のようにこのさき雨が降りやすいフェーズに入っていくので、このタイミングでの発表もあり得ると見ています(21日11時05分追記:さきほど11時に、気象庁は近畿・東海・関東甲信の梅雨入りを発表しました。詳しくは次の記事で解説します)。
なおこれとは別に、北海道では停滞前線の影響で断続的に雨、また東北や北陸では午後は大気の状態が不安定になるため雷雨のおそれがあります。
23日(日)は日本海側で大雨警戒
21日の雨のあと22日(土)はいったん梅雨前線の雨雲から抜ける地域が多いものの、23日(日)にはまた梅雨前線が北上。特に日本海側の地域で広く大雨のおそれがあり、このタイミングで北陸や東北なども梅雨入りの発表がありそうです。
このように日本海側で大雨になるのは梅雨の末期によく現れる構図なのですが、今年2024年は梅雨入りそのものが遅れたため、梅雨が始まってすぐに梅雨本番、あるいは梅雨末期と言っても過言でないような地域も出てきそうです。
なお、週間予報を見るとこのさき広い範囲で曇りや雨が多くなるにもかかわらず、最高気温は連日30度前後の見通し。かなり不快な蒸し暑さとなりそうです。
梅雨入りが遅かった年の降水量は?今年はどうなる??
関東甲信では21日に梅雨入りしたとすると統計史上2番目に遅いことになり、また同じく近畿では3番目に遅い記録に並びます。
今年2024年のように梅雨入りが特に遅かった場合に降水量がどうなるのか、関東甲信の例を見ると、もっとも遅かった1967年と2007年の梅雨期間降水量はそれぞれ平年比86%と111%でした。つまり、一概に多いとか少ないとは言えない状況です。
そこで20日発表の最新の1か月予報を見ると、関東甲信と九州南部以外では平年並みか平年より多い見通しとなっています。
なお、この図では本来梅雨がない北海道でも降水量が平年並みか多い見通しになっていて、いわゆる「蝦夷梅雨」と言われる状態になるかもしれません。
また、沖縄・奄美では降水量が平年を下回る予想に。すでに梅雨明けした沖縄では梅雨の間の降水量が平年を上回っていましたが、まもなく梅雨明けするとみられる奄美とともにこのさき雨が少なくなる見通しで、極端な気候となりそうです。
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