主な新興国/米国経済ニュース(6月25日)
ロシア航空大手アエロフロート、2016-2017年に株式51%を売却へ―CEO
ロシア航空大手アエロフロートのビタリー・サベリエフCEO(最高経営責任者)は先週末、政府の民営化の一環として、政府の保有株51.17%を2016-2017年に民間の投資家に売却する方向で準備する意向を明らかにした。ロシアのプライム通信(電子版)が伝えた。
これより先、アンドレイ・ベロウソフ経済発展相は4月に、アエロフロートの民営化による株式売却は2016年より以前に実施される必要があるとしていた。
アエロフロートの民営化は、2011年6月に当時のアレクセイ・クドリン副首相兼財務相が初めて、政府の第2次民営化計画(2013‐2015年)の中で、アエロフロートの株式売却を実施する考えを明らかにしている。現在、アエロフロートの株式のうち、政府は全体の51.17%、中央銀行が11.8%を保有している。
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国営ロシア郵便、新体制下でも引き続き露版「ゆうちょ銀行」構想を検討
ロシア開発対外経済銀行(VEB)のアナトリー・ティホノフ第1副総裁は先週末、国営ロシア郵便は、ロシア版“ゆうちょ銀行”の創設を引き続き検討していることを明らかにした。モスクワ・タイムズ(電子版)が23日に伝えた。
ロシア郵便ではアレクサンドル・キセリェフ(Alexander Kiselyev)総裁が4月にモスクワの空港で起きた国際郵便の配達遅延問題の責任を取る形で更迭され、スウェーデン携帯電話大手テレ2グループのロシア法人、テレ2ロシアのドミトリー・ストラシュノフ元CEOが就任したが、ティホノフ氏の発言は、ゆうちょ銀行構想は新体制の下で継続されることが確認されたといえる。
ゆうちょ銀行の設立構想は4年前に初めて打ち出されたが、既存のVEB傘下のスヴァジ銀行をベースに設立され、これにラスキー・スタンダード銀行とノモス銀行の2行が提携行となるシナリオが有力となっている。ロシア郵便の金融ビジネス機能と全国に広がる郵便局のネットワークの利用が可能になれば、郵貯銀行はロシア金融大手ズベルバンク(ロシア連邦貯蓄銀行)に匹敵する巨大銀行になる。
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インドネシア証取、株式売買単位を年末までに大幅引き下げへ
インドネシア証券取引所(IDX)は、個人投資家の株式市場への参加を活発化させることによって、株式市場の流動性を高めようと、株式売買単位を現在の500株から5分の1の100株に引き下げる方向で検討している。ジャカルタ・グローブ(電子版)が24日に伝えた。
IDXでは試験的に100株単位での売買を開始し、今年末までに正式に導入したい考え。IDXはこれまでも個人投資家の市場参加を促すためのさまざまな方策を講じてきたが、200万人増の個人投資家の拡大目標に対し、昨年の実績はわずか30万人増にとどまっているのが現状。
他方、IDXのホーセン上場部長は14日に、株式市場の流動性を維持し国内株式の出来高を拡大するため、新規株式公開(IPO)の要件を見直して、最低公募・売り出し比率を現在の発行済み株式の10%から15-20%に引き上げることを検討していることを明らかにしている。
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香港の衣料品製造大手TAL、ベトナムに200億円投資へ
香港の衣料品製造大手TALグループは、ベトナムで繊維や衣料品を製造するため、2億ドル(約200億円)の設備投資を行う計画だ。地元オンライン・ニュースメディアのベトナム・インベストメント・レビューが24日に伝えた。
これはTALのロジャー・リー取締役がハノイで、ベトナム計画投資省(MPI)のカオ・ベト・シン次官と会談した際に明らかにしたもの。同取締役は最先端の技術を導入するので、環境汚染を引き起こさず、ベトナム政府の環境基準を順守することができるとしている。
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米AT&TのスティーブンソンCEO、欧州の移動体通信企業の買収に本腰か
米通信大手AT&Tのランドール・スティーブンソンCEO(最高経営責任者)は米国以外の国際市場、特に欧州の移動体通信市場の開拓に本腰を入れる方針だ。手始めに、同CEOは今月、オランダ出身のネリー・クルースEC(欧州委員会)副委員長(デジタルアジェンダ担当委員兼務)と会談し、欧州の移動体通信企業へのM&A(企業の買収・合併)の可能性を探ると、英紙フィナンシャル・タイムズ(電子版)が20日に伝えている。
最近では、AT&Tはスペインの通信サービス大手テレフォニカの買収に関心を示し、すでにスペイン政府との話し合いを行っているもようだ。ただ、AT&Tはテレフォアニカ傘下の移動体通信部門に焦点を当てているため、テレフォニカ全体の買収に乗り出す可能性は薄いと見られている。
欧州の通信各社の幹部は投資家が欧州の移動体通信市場でのM&Aに対する関心が強待ってきたと指摘していることから、欧州では新たな通信セクターのM&Aブームが到来するのではという憶測で、先週から通信セクターの銘柄が上昇し始めている。
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米ナイキ、ブランド社長ら経営幹部4氏を入れ替え
米スポーツ用品大手ナイキは先週、ナイキ・ブランドのチャーリー・デンソン社長が来年1月に退任することを明らかにした。デンソン氏の後任には現在、トレバー・エドワーズ副社長(ブランド・カテゴリー管理担当)が7月1日付けで就任する。
エドワーズ氏は今後、全カテゴリーと全地域の事業会社、また、ジョーダン・ブランド、アクションスポーツ(ハーレー・インターナショナルを含む)、デジタルスポーツ、ブランド管理を全世界的に統括する。
このほか、エリック・スプランク副社長(商品化・商品担当)がナイキのCOO(最高執行責任者)に就任し、製造と仕入れ、IT(情報技術)、調達全般を担当する。直販プレジデントのジャンヌ・ジャクソン氏は商品・商品化プレジデンとしてナイキの商品化を担当する。新事業開発プレジデントのトーマス・クラーク氏はノベーション・プレジデントに就任し、ナイキの製品イノベーションチームと持続可能ビジネス&イノベーション(SB&I)チームを率いる。
エドワーズとスプランク、ジャクソン、クラークの4氏は、ナイキのマーク・パーカー社長兼CEO(最高経営責任者)の下で各職務を担当することになる。
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ブラジル中銀週報:今年のGDP伸び率見通しを2.46%増に下方修正
ブラジル中央銀行が24日に発表した先週の経済週報「フォーカス・ブルティン」によると、同中銀の委託を受けた民間アナリストが予想した2013年実質GDP(国内総生産)伸び率見通しは、前週予想の前年比2.49%増から同2.46%増に下方修正された。下方修正は6週連続。1カ月前の見通し予想は2.93%増だった。一方、2014年のGDP伸び率見通しも前週予想の同3.2%増から3.1%増に下方修正された。1カ月前の見通し予想は3.5%増だった。
また、7月9-10日の金融政策決定会合時の政策金利(翌日物金利誘導目標)の見通しは、前週予想の8.5%のまま据え置かれた。据え置きは2週連続。1カ月前の予想は8%だった。一方、2013年末時点の政策金利の見通しは、前週予想の9%のまま据え置かれた。1カ月前の予想は8.25%だった。2014年末時点の政策金利も前週予想の9%のまま据え置かれた。1カ月前の予想は8.5%だった。
IPCA(拡大消費者物価指数)で見たインフレ見通しについては、2013年は前週予想の前年比5.83%上昇から5.86%上昇へ下方修正(悪化)された。下方修正は2週連続。1カ月前の予想は5.81%上昇だった。また、2014年の見通しは前週予想の5.8%上昇のまま据え置かれた。据え置きは6週連続。1カ月前の予想は5.8%上昇だった。
一方、為替レートの見通しについては、2013年末時点のレアルの対ドルレート(中央値)は、前週予想の1ドル=2.1レアルから2.13レアルに引き上げられた。2014年末時点の見通しも前週予想の2.15レアルから2.2レアルに引き上げられた。 (了)