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「うちの写真が勝手に使用されていてショック」極楽とんぼ山本圭壱がうさぎ写真をインスタに無断利用で炎上

篠原修司ITジャーナリスト/炎上解説やデマ訂正が専門
問題の写真無断転載の投稿。インスタグラムより。筆者キャプチャ。

 お笑いコンビ極楽とんぼの山本圭壱さんが、自身のインスタグラムに他人が撮影したうさぎの写真を勝手に利用(無断転載)していたことがわかり、炎上しています。

「クレジットやマークを外して掲載しているのはどういう事ですか?」

 この問題は山本さんが1月2日に投稿していた正月のうさぎ写真に対して、2月17日に撮影者のutaさん(中村隆之さん&麿矢さんご夫婦のうさぎ写真家ユニットの名義)が「3枚目は私が撮影した写真で、しかもクレジットやマークを外して掲載しているのはどういう事ですか?」とコメントしたことから始まります。

 問題の写真を確認すると、たしかに3枚目にはutaさんが2022年3月にTwitterに投稿した写真が使われています。

告発する投稿。Twitterより。筆者キャプチャ
告発する投稿。Twitterより。筆者キャプチャ

 悪質なのはutaさんが撮影したとわかるクレジットやマークの部分が見えなくなるように写真を切り取っている点です。このことから山本さん側は“写真の利用に許可を取っていない(無断転載のうえで利用している)”ことを認識していたと考えられます。

 ちなみに切り取る部分がうさぎの足の部分ギリギリになっているのは、Twitterの写真ではなくウェブニュースに掲載された写真提供元)の方を切り取っているからだと思われます。

掲載されていた写真の比較。山本さんのインスタグラムとニュースサイト「よろず~ニュース」より。筆者キャプチャ。
掲載されていた写真の比較。山本さんのインスタグラムとニュースサイト「よろず~ニュース」より。筆者キャプチャ。

 ニュースに掲載されている写真はちょうど切り取られている真下に「うさぎ写真家uta」のクレジットが入っており、山本さん側はこのクレジットを掲載したくなかったのでしょう。

「ご本人(山本さん)より謝罪をしたいとのご意思を頂きました」

 こうした流れで撮影者本人より指摘を受けたあと、問題の投稿は炎上状態になりました。

 山本さん側はインスタグラム上では無反応でしたが、マネージャーがutaさんに直接連絡を取っていたらしく、17日深夜にutaさんが「先程、マネージャー様よりご連絡がありご本人より謝罪をしたいとのご意思を頂きました」との連絡を受けたとTwitterで発表(現在は削除済み。理由は後述)。

 これにより、炎上は鎮火しつつあります。

ほかの2枚の写真も無断転載か

 ただ、この問題はこれだけにおわりません。

 というのも、問題の投稿はうさぎの写真が合計3枚掲載されているのですが、残りの2枚も無断転載の可能性が高いからです。

山本さんが掲載していた写真1枚目。インスタグラムより。筆者キャプチャ
山本さんが掲載していた写真1枚目。インスタグラムより。筆者キャプチャ

山本さんが掲載していた写真2枚目。インスタグラムより。筆者キャプチャ
山本さんが掲載していた写真2枚目。インスタグラムより。筆者キャプチャ

 「うさぎ 写真」で検索すると一発でわかるのですが、1枚目は写真やイラストの素材サイト『Adobe Stock』のものが、2枚目はナチュラルペットフーズ株式会社がうさぎの解説ページに掲載しているものがそのまま利用されています。

「うさぎ 写真」の検索結果1ページ目。明るい部分が山本さんが利用していた写真。Google画像検索より。筆者キャプチャ後に加工。
「うさぎ 写真」の検索結果1ページ目。明るい部分が山本さんが利用していた写真。Google画像検索より。筆者キャプチャ後に加工。

 ちなみにナチュラルペットフーズ株式会社の写真の大本は、写真やイラストの素材サイト『Shutterstock』に掲載されているものです。

 もしかしたら山本さん側が『Adobe Stock』と『Shutterstock』にライセンス料を支払ってインスタグラムで利用している可能性もありますが、そうすると「じゃあなんで3枚目はクレジットを切り取っているんだ?」となりますし、2枚目の写真も「なんでナチュラルペットフーズ株式会社と同じ構図に切り取ってるんだ?」となります。

 おそらく、「うさぎ 写真」で検索して出てきた1ページ目の写真のなかから気に入った3枚を無断で使った可能性が高いでしょう。

インターネットで見つけた写真を自分の写真と偽ってはいけない

 今回の問題、インスタグラムに山本さん本人が投稿したのかマネージャーや別の担当者が投稿したのかわかりませんが(utaさんの説明では本人から謝罪の意向があったとのことですが)、インターネットにおける写真の権利関係について詳しくない人物だと考えられます。

 「その写真どうしたの?」「ネットで拾ってきた」みたいな会話をよく見かけますが、誰もインターネットに写真を落としてません。インターネットに掲載されている作品を、その人が盗んでいるだけです。

 個人間のやり取りであれば怒る人はそう多くないでしょうが、さすがに「自分の写真です」という風に使われると怒る人が出てきます。というよりも、普通に権利の侵害です。

 Googleなどで検索して出てきた写真は、自由に使って良いフリー素材ではありません。すべての写真で撮影(作成)した人がいます。そのことに十分注意してください。

2月20日13時46分追記

 撮影者の方が山本さんより直接謝罪を受けたとのことです。それにともない、一連のツイートは削除されました。

ITジャーナリスト/炎上解説やデマ訂正が専門

1983年生まれ。福岡県在住。2007年よりフリーランスのライターとして活動中。インターネット(SNS)で起きる炎上の解説、デマのファクトチェック、スマホやガジェットの話題、生成AIが専門。最近はYouTubeでも活動しています。執筆や取材の依頼は digimaganet@gmail.com まで

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