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サッカー界。今夏の注目は五輪より断然ユーロ。日本はいま欧州を席巻する小国3チームに学べ

杉山茂樹スポーツライター
(写真:ロイター/アフロ)

 現在F I F A ランキングで首位に立っているのはベルギーだ。2018年9月に首位の座に就いて以来、その座を3年半、守り続けている。ユーロ2016ベスト8。2018年ロシアW杯3位。世界的な大会を制したことはまだないが、平素、コンスタントにポイントを稼いる。ベルギーサッカー史上、最も華々しい時代を迎えていると言っていいだろう。

 とは言っても、昨年6月に開催されるはずだったユーロ2020は1年延期された。対戦データの絶対量は、乏しい状態にある。暫定首位と言ったところか。

 2020年夏に開催される予定が、1年延期された状態にあるのは東京五輪も同じだ。ユーロと東京五輪。ユーロの総チケット枚数が約250万枚強と言われるのに対し、東京五輪は少なくとも780万枚以上。東京五輪のスケールはユーロの3倍以上に及ぶ。

 世界的な視点で言うならば、ユーロが無観客で行われれば、その3倍以上のスケールで行われる東京五輪を有人で行うという選択肢は、必然的に低下する。さらに、もしユーロ2020が中止になれば、東京2020が中止となることの妥当性は増す。今年開催予定のこの2つのビッグイベントは、少なからず影響を及ぼしあう関係にある。

 ユーロ2020は、通常の1ヶ国開催とは異なり、欧州各都市(12ヶ国12会場)が舞台になる。次回ユーロ2024は再び1ヶ国開催(ドイツ)に戻る。ユーロが国単位で行われてきたイベントであるのに対し、五輪は都市開催を貫いている。サッカーはW杯も国単位だ。五輪だけがなぜ都市単位なのか。五輪が1都市の開催能力を超えるスケールに肥大している点は、見逃すことができない問題になる。

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スポーツライター

スポーツライター、スタジアム評論家。静岡県出身。大学卒業後、取材活動をスタート。得意分野はサッカーで、FIFAW杯取材は、プレスパス所有者として2022年カタール大会で11回連続となる。五輪も夏冬併せ9度取材。モットーは「サッカーらしさ」の追求。著書に「ドーハ以後」(文藝春秋)、「4−2−3−1」「バルサ対マンU」(光文社)、「3−4−3」(集英社)、日本サッカー偏差値52(じっぴコンパクト新書)、「『負け』に向き合う勇気」(星海社新書)、「監督図鑑」(廣済堂出版)など。最新刊は、SOCCER GAME EVIDENCE 「36.4%のゴールはサイドから生まれる」(実業之日本社)

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