【宮城県 松島町】ワークショップや日本酒即売会も!瑞巌寺で大迫力の「墨画展」開催中 [町内地区]
「黒」という色は、時折すべての色を飲み込んでしまう'強い色'として、案外手付かずのままチューブにたっぷりと(黒が)残ってしまうことがある。もちろん手法によっては、黒をたっぷりと使って完成される絵もある。
筆者が美術学生だった頃に、当時の先生からこんな言葉を聞いた。『黒は最終手段の色。他の色は重ねて塗り直しが可能だけど、黒はそれ以上に濃い色がないから修正出来ないからね。』
そう、これが黒にしかないパワーなのだ。そのイメージが何十年とあり、未だに画材道具の「黒」は一向に減らないまま眠っている状態だ。
そんな扱いが難しい「黒」を自在に操る「墨画家(墨絵師)」という存在は、相当な芸術性と黒を味方につける技術と、そして想像力が必要とされる(筆者の視点では)。墨という独特な風合いをもつ画材に、水の量や筆の力加減でガラッと雰囲気の異なる世界が描かれるのだ。
そんな墨の大迫力の世界を体感できる企画展「墨画展 千貫乃風(せんがん の かぜ)」が、松島町内の瑞巌寺で(2023年)7月13日(木)からスタート。同年の10月1日(日)まで開催予定だ。早速、ご紹介をしていこう!
イベント名:墨画展 千貫乃風(せんがん の かぜ)
画家名:墨画家 一関恵美(いちのせき えみ)
日程:2023年7月13日(木)〜10月1日(日)まで
時間:8:30〜17:00 ※最終日のみ16:30まで。
この企画展で展示されている作品は、宮城県仙台市を拠点に活動をされている「墨画家」の一関恵美(いちのせき えみ)氏。なんと独学で「墨」の特性や技法などを学び、その後に墨の世界をより深く知るために、墨画家「山﨑順子(やまざき じゅんこ)氏の門を叩き経験を積む。そして独立後は、国内のみならず海外でも作品を発表するなど幅広く活躍中の素敵な絵師だ。
筆者は、実際に展示作品を拝見し、墨が創り出す想像以上の「迫力」に圧倒されてしまった一人。墨の黒色の強さはもちろんだが墨と水で見事な濃淡を表現した「龍」や「海」のうねりなどは、他の画材では出せない「味」を肌で感じられる作品だ。展示室全体の空間は、見方によってはカジュアルで和モダンな雰囲気にも感じられたり、一方でどっしりと重々しさを感じる雰囲気など、訪れる方によって感じ方は大きく異なりそうだ。『墨が魅せる世界とは、こんなにも多様なのか』と改めて思う、または新しい発見が得られる展示内容だ。
[関連イベント]
企画名:日本酒「蔵夏(くらげ)」即売会
日程:7月29日(土)、30日(日)
時間:10:00〜15:00 ※大雨など天候により中止の可能性有り
場所:瑞巌寺 拝観者受付所前
そして、この企画展のもう1つの魅力は「ワークショップ」と「関連イベント」だ。7月・8月・9月と各月ごとにお楽しみ企画が予定されていて、ここでは今月(7月)開催される「関連イベント」をご紹介。(※8月・9月のワークショップ内容は上記写真をご参照)
一関恵美氏が手掛けたちょっぴりクールで可愛らしい「くらげ」の作品を、日本酒「蔵夏(くらげ)」のラベルに採用。この特別仕様の日本酒の「即売会」が、7月29日・30日(土日)の2日間限定で開催される。
一関氏が描いたフワフワと浮遊する「くらげ」のデザインは、面白いことにちょっと洋風な雰囲気。そのため日本酒の瓶なのだが、まるでワインボトルのようにも感じられる、お洒落な作品(日本酒)だ。例えば、8月に誕生日を控えている方、またはお盆休みに久しぶりに会う大切な方へ、ちょっと特別なお酒としてプレゼントするのもおすすめ。ちなみにお酒の種類は「阿部勘(あべかん)」と「浦霞(うらがすみ)」の2種があるので、お好みで選ぶことが可能だ。
開催場所は、瑞巌寺の拝観チケットを購入する「券売機エリア」の奥にある「拝観者受付」前のスペース(有料ゾーン)で行われる。そのため日本酒を購入する場合は、チケット購入が必要となるので注意しよう!近年あまり水墨画の展示を目にする機会が少なくなったため、今回の展示は非常に貴重な機会となりそうだ。絵に興味がない方でも、ぜひ一度「墨」の魔力を体感してみてはいかがだろうか?その魅力と迫力に魅入ってしまうぞ。
さあ、今週末は素敵な日本酒「蔵夏(くらげ)」と墨の世界を体感しに、みんなで松島に出かけよう!