「休暇恥・コロナ恥」、ノルウェー政府「恥じず検査を」非難する風潮で
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北欧ノルウェーでは夏休みの長期休暇が6月末から8月中旬まで続く。
ノルウェー政府は3月中旬以降からの規制強化でコロナ感染拡大を抑え込んだと判断。
7月15日からは旅行に伴う隔離条件を大幅に緩和していた。
国内外で人の動きが活発化することから、ある程度の感染者の増加の可能性は指摘されていたが、市民や各業界は責任ある行動をとるだろうとノルウェー政府は信頼する形をとった。
感染者は徐々に増加しつつあり、国内だけではなく国外旅行で感染する人もいる。
現在は「休暇恥」、「バカンス恥」ともいえる「ferieskam」(フェーリエスカム)というノルウェー語が話題となっている。
これまでは休暇に飛行機などを使用し気候危機や環境問題の悪化につながる人間活動をすること、子どもが夏休みに感じるストレスなどを「休暇恥」と呼ぶことが多かったが、今年の休暇恥はコロナと関係している。
「休暇恥」は「コロナ恥」とも言われている。
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休暇に旅行に行き「休暇恥」を感じている人が、PCR検査を受けようとしない現象をノルウェーの医療機関が指摘し始めた。
「互いに指をさしあわずに、思いやりをもったほうがいい」とベルゲン緊急病院の責任者であるコリドン氏はノルウェー公共局に話す。
自分の行動を恥じて検査を受けない人がいる現象に今後対応する必要があるとノルウェー公衆保健研究所も見解を出した(公共局)。
「罪や恥の意識が感染症の対策になることは絶対にない」
市民が互いを監視・批判しあう風潮に対して、ベント・ホイエ保健・ケアサービス大臣が7月31日の記者会見で語り掛けた言葉は現地で大きく報道された。
言葉の浴びせ合いが起きています。
このままでは感染防止が難しくなると私は心配しています。
国外旅行やスウェーデン国境へ買い物に行った人は偏見を受けます。飲食店のテラス席で混雑した状態で座っていたり、バスで他人と距離をとらないでいると、怒りの言葉を浴びます。感染防止対策を忘れていた人はエゴイストと呼ばれます。
ノルウェーでウイルス拡大を心配している人が大勢いることは理解しています。
しかし、罪と恥が感染症対策になることはありえません。
これまでの歴史を振り返っても、国で病気が拡大する時の理由は、人々が恥の意識を感じて、病気にかかったかもしれないことを隠そうとしたからです。
同じことが起こるのではないかと私は恐れています。
偏見が原因で検査を受けようとする人が減り、病気になっても助けを求めない人が増えるのではないかと恐れています。
このような態度で互いに接する必要はありません。
感染したのではないかと怖がっているあなたに伝えたいことがあります。
あなたが恥じることはなにもありません。
検査を受けましょう。
検査を受けることであなたは責任を果たし、感染の広がりを防止しています。
「恥じることなく、検査を受けましょう」という大臣の言葉は多くの報道機関が記事タイトルとして引用した。
ノルウェー政府のコロナ対策が市民に支持されている背景には、首相や閣僚が市民に発するこのような正直なメッセージやオープンな姿勢があるともいえる。
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ノルウェーでは夏休みに旅行をする人に加え、物価が安い隣の国スウェーデンへと食料品などの買い出しに行く人も続出。
スウェーデン国境へ買い出しに行く人が現地メディアに名前と顔を出して取材を受けると、一部の読者がSNSなどでその行為を無責任だと罵倒するケースも起きている。
取材を受けた人が「若者・女性」などである場合はさらに非難されやすい。
ネットのコメント欄で個人攻撃がひどくなると、報道機関が該当記事をSNSから削除することもある。
Text: Asaki Abumi