【河内長野市】旅館の朝食のような豪華さ!古野の喫茶庵三晃で南河内の郷土料理、茶粥モーニングは絶品
米を茶で炊いた粥「茶粥」は大和(奈良県)の郷土料理として、農林水産省(外部リンク)でも紹介されています。しかし、大和だけでなく紀伊や伊賀地方、そして河内長野を含めた南河内地域でも「おかいさん」という名で食べられている歴史がありますね。とはいえ、あまり茶粥を食べる機会は最近ではあまりないように感じます。
そんな茶粥をモーニングで出しているというお店「喫茶庵三晃」が、河内長野駅からみて北西にあたる本町(古野区)にあることを知りました。とても気になったのでさっそく行ってみることにしました。
場所は、だんじり小屋のある古野区会館の横にある交差点を北側に入ったすぐのところにあります。
こちらが、喫茶庵三晃さんです。新しく建てられたと思われる木造の建物。バリアフリーにも対応していますね。
営業時間を見ると平日は朝7:30から夕方16:30まで通し営業です。土曜日だけは9:00となっていますので注意しましょう。
店内の様子です。テーブル席が4つあり、加えてカウンター席が4つあります。
カウンター席の右側にトイレがあります。
11時までのモーニングのメニューを見ましょう。下のバターじゅわーんトースト(450円)も、とても気になりますが、やはりここは上の茶粥セット(700円)ですね。茶粥のほうは200円、トーストは300円追加すればミニコーヒーが付きます。
こちらは11時以降で、15時30分ラストオーダーの軽食メニューです。茶粥セット800円、ミートスパゲティ900円、キーマカレー900円、バターじゅわーんトースト450円です。そしていずれも200円の追加でかりんとまんじゅうがつけられるとのこと。
そして、おやつもあります。かりんとまんじゅう200円と白玉おしるこ600円です。三晃さんは、あくまで和の喫茶店です。
16時がラストオーダーとなるドリンクメニューです。かりんとまんじゅうとのセットがおすすめとのこと。
待っている間にお茶が来ました。茶器をみるとお多福の顔をしています。
そして、登場した茶粥セットです。これを見て思わず目が丸くなりました。モーニングセットですが、どちらかといえば旅館の朝食のような豪華さに見えたからです。
メインの茶粥です。見た目は粥としてのご飯の量よりも汁が多い感じがしますが、実際には中に多くのご飯が入っています。茶粥はおかわりできるとのことでしたが、おかずの量が多くおかわりに至りませんでした。
茶粥の横には小鉢が並んでいます。ウインナーソーセージや玉子焼きという子どもが好きそうなおかずもありますね。
サラダです。上に載っているドレッシングとの相性が抜群でした。
香の物です。茶粥と一緒に食べる定番ですね。これも梅干しだけでなく、種類が多いです。
さっそく茶粥を食べてみました。茶粥はあっさり味だったので、梅干しを入れていただきました。もっと塩味の効いたきゅうりの漬物を入れたり、七味唐辛子をかけたりしてもよさそう。薄味なので、逆に自由に味付けで食べられるのがいいですね。
見た目は汁が多いのかなと思いましたが、匙(さじ)で掬(すく)い上げると多くのご飯が入っていました。あっさりとしている茶粥は、梅干しとの相性が見事で、美味しさのあまりバクバク食べてしまいました。もちろんおかずもすべて美味しく完食しました。
それにしても、モーニングに茶粥セットを出した理由は何だったのでしょう。店主さんにお話を伺いました。
店主さんは河内長野出身です。茶粥をモーニングで出した理由を聞いてみると昔からずっと祖父母とともに食べていたのが郷土料理である茶粥だったからといいます。店主さんは主に夜ご飯でお茶漬けのように食べていたとのこと。
「もしかしたら、お米が少なかった時代のかさ増しに茶粥を使った」のかもしれないと、食べながら店主さんは思ったそうです。とはいえ、お茶そのものに薬膳的な効果があり、消化に良くて体にいいことは間違いないですし、味そのものもおいしいと店主さんはいつも思っていました。
しかし、時代が変わって茶粥を食べる機会が以前と比べて少なくなり、店主さん自身少し寂しさを覚えていたそうです。茶粥を思い出すたび、昔考えた人のすごさを感じていたそうです。そのようなこともあり、やがて店主さんは茶粥のお店をつくりたいと思いが日増しに強くなっていきました。
他にも茶粥にこだわったのは、若い人と比べて高齢者は食べ物の選択肢が少なくなるという背景があります。「茶粥なら高齢者でも美味しく食べれられる」ということで、1日中茶粥が食べられる店をつくりたいと考えるようになります。
店主さんは会社員でしたが、退職し昨年の10月28日に独立開業として三晃さんを始めました。最初からのスタートだったので、いろんな人の意見を聞きながら茶粥のおかずも増やしていったそうです。だから茶粥セットが旅館の朝食のように豪華になっていたんですね。
またバリアフリーを意識して、トイレも客席近くに設置しました。店主さんは小さいころから、親子三世代で喫茶店によく行っていたそうですが、段々と行く頻度が少なくなっていきました。背景に、トイレが店内の遠くにあったことでお祖母さんが行きたがらなくなったことがあったといいます。
これは高齢者の場合、トイレが遠いともうそこまで歩くのも大変だから行きたくないという思いがあること。入口がバリアフリーだったのもそういう配慮なのかなと思いました。高齢化率が高くなることが予想される河内長野では大事なことなのかもしれません。
また今回はかりんとまんじゅうは食べませんでしたが、このかりんとまんじゅうはオーダーを受けてから揚げるので温かいままで食べられるとのこと。
店主さんのお祖母さんにいろんなお菓子を手作りして食べてもらっていた中で、かりんとうまんじゅうを「これは売れるで」と褒めてもらったそうです。これがとてもうれしかったので、今回もメニューに取り入れたとのことでした。
「1日中茶粥が食べられる店を目指したい」と店主さんの言葉を胸に店の外に出ると、目の前には刃物の砥ぎを行う職人さんのお店がありました。昔ながらの雰囲気が残る古野の町に、南河内伝統の茶粥が食べられるお店があることはとても良いですね。
喫茶庵三晃
住所:大阪府河内長野市本町7-29
TEL:080-2530-7336
営業時間:7:30〜16:30'(土曜日は9:00から)
定休日:日・月曜日
アクセス:南海・近鉄河内長野駅から徒歩5分
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