夏は向日葵。だけじゃないですよね！あの有名なサマーソングのタイトルにもなっている花、そう！「蓮」です。今回は意外な場所で咲き誇る蓮の花スポットをご紹介いたします。

その場所は上水流町。県道420号を進み、写真の小さな曲がり角を曲がるとそこはあるのですが、ちょっと分かりづらいので、ナビで「蓮池」と入れると連れて行ってくれます。

ここは志和池の名前の由来になっている「蓮池」。1474年ごろ、薩摩藩の播磨守忠尭（はりまのかみただあき）が「志の和することこの池のごとくあれ」と地名を名付けたという説もある、都城の市史を語るうえで大切な場所です。

実はもう一つ、雲林寺の住僧のお言葉が由来の説もあるのですが、お二方とも心穏やかで平和な未来を願っていたように感じます。

池の真正面には駐車場が５台分あります。写真を見ていただいた通り、こちらは閑静な住宅街のど真ん中にあり、地域のごみステーションも併設されていますので、住民の方の生活の妨げになるような行動はお控えください。

鯉？フナ？幾つかの群れがすいすい～っと気持ちよさそうに泳いでいました。こういう池があると、必ずなにか生き物がいないか探してしまうのが私。

お魚さんから目を右に向けると、これはこれは立派な蓮の花！葉っぱも両腕で輪っかを作ったくらい大きく、背丈もあるので規模は小さくとも迫力があります。

調べてみた感じだと舞妃蓮（まいひれん）という種類でしょうか？花言葉は「清らかな心、神聖」。鴇色のような淡いピンクが上品で美しく、花言葉通り神聖さを感じますね。ご存じの方も多いかと思いますが、仏教では蓮の花をよく見かけますよね。お盆の落雁や、提灯などにも描かれていますが、蓮の花というのは極楽へ生まれ変わられる方の心の特徴「蓮華の五徳」を表しているのだそう。ここでは割愛しますが、とても興味深かったので是非興味のある方は調べてみてください。

「蓮」と「睡蓮」の違い、おさらいしておきましょう！蓮は花が水面より高い位置で咲き、人によってはゾワッっとする「花托（かたく）」ができます。私はトライポフォビア（集合体恐怖症）のため絶対無理です…。これが蓮の実ですね。葉っぱが円形で撥水性があるのも特徴です。そして、睡蓮は水面に沿うように平たく咲くのが特徴で、葉っぱには切れ込みがあります。よくカエルのイラストで乗っかっているのがソレ。この花だけで自由研究がはかどりそうですね！

小さな池ですが、横には大きな枝垂れた木があります。これが心地よい日陰を作っていて、先ほど泳いでいたお魚さん達も多くがこの下で休んでいました。

大きく枝垂れた木は支えがされるほど成長しているようです。ここから見える青空は一気に夏を感じる色。湿気も気温もあの頃とは強さが違うけれど、どこか心に残っている夏休みを思い出して、大きく空気を吸い込んでみました。夏だなぁ。

そのまま池に沿って右手に歩いていくと、民家の手前に大きな睡蓮の池があります！田んぼの合間にあることから、恐らく個人の土地で作られた池ではないかと思います。ここ数年で作られた立派な睡蓮の池のようです。ところどころに濃いピンクの睡蓮が咲いていました。睡蓮は秋ごろまでが花のシーズンとされているので、これからまだ楽しめそうですね！こんなに立派な睡蓮を無料で楽しませていただけることに、本当に感謝です。
ちなみに。蓮も睡蓮も朝の鑑賞をお勧めします。というのも、おおよそ7：00～9：00頃に咲きだし、午後には閉じるそうです。私が行ったのがちょうど昼頃だったので、少し大人しい感じになっているのかも知れません。

蓮の花が見たいなと思って出会った「蓮池」。まさか都城の歴史にとって重要な場所であったとは思いもしませんでした。時には歴史に思いを馳せて、ゆっくりと時間を過ごすのもいいかもしれませんね。