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子どものSNS利用における悪影響は?上手に付き合うために知っておきたいこと #専門家のまとめ

森山沙耶ネット・ゲーム依存予防回復支援MIRA-i 臨床心理士
(写真:イメージマート)

子どもたちが自分のスマホを持つことが当たり前になっていく中で、特にSNSの利用をいつ頃から解禁してよいのか、使用する上で何に気をつけるべきか、保護者の間では悩ましい問題になっています。子どものSNS利用の現状や悪影響として明らかになっていること、付き合い方のポイントをまとめました。

ココがポイント

▼SNSの利用開始時期は遅めで、トラブルも少ないものの、トラブル被害時には「無視」をしてしまい被害が深刻化する危険性も

・日本の高校生はSNSトラブル少ないが「無視」で問題深刻化も…日米中韓の高校生SNS調査 「推し活」目的最多36.7%(FNNプライムオンライン)

▼10代におけるSNSの頻繁な利用は、自己肯定感の低下、うつ病といったメンタルヘルスのリスクが増加

・SNSを1日に3時間超利用する子ども、心の病のリスク倍増…米報告書が警告(読売新聞オンライン)

▼利用する目的を持つことや、情報に巻き込まれないように距離の取り方をコントロールしていくことが大切

・自分の心を守る SNSとの距離の取り方を考えてみよう(Yahoo!ニュース エキスパート 森山沙耶)

エキスパートの補足・見解

特に10代は、脳の発達が発展途上にあり、新しい刺激を追い求める傾向やリスクのある行動を取る傾向が高まる発達段階であると言われています。また、親から自立をしていく段階でもあるため、社会や仲間から認められたいという欲求もより高まるとも言われています。

SNSは、常にタイムライン上にたくさんの新しい情報が流れてきて、「いいね」や「相互フォロー」によって他者との繋がりを感じられやすいという特徴があります。したがって、大人よりも10代の子どもたちにとって、SNSは非常に魅力的なツールになりうることが考えられます。

国立青少年教育振興機構による調査結果によると、日本では子どものSNS利用の開始時期が他の国(米国、中国、韓国)よりも遅く、SNS上のトラブルも少ないことから、諸外国に比べてSNSの利用には比較的慎重的であるのかもしれません。しかし、日本ではトラブルの被害にあったとき「やり返す」という対処は少なく「無視する」という対処が圧倒的に多かったことから、被害を一人で抱えてしまう可能性が推察されています。

このようなとき、周囲の大人がSNSに対して過度に否定的であったり、権威的に関わってしまうと、子どもたちがSNS内でトラブルやいじめの被害にあっても、さらに言い出せずに表面化しにくくなってしまうことが懸念されます。

まずは、子どもがSNSで趣味や楽しみを見つけることを肯定しながら、小さなトラブルでも親子で建設的に話し合える機会を作っていくことが重要です。また依存の予防のためには、長時間の使用が習慣化しないよう、平日だけでなく休日においても、使える時間と使わない時間を家庭で決めメリハリのある利用を促していく必要があります。その際、スクリーンタイムや通知のオンオフなど制限機能を取り入れながら見守りをしていくこともおすすめします。

ネット・ゲーム依存予防回復支援MIRA-i 臨床心理士

臨床心理士、公認心理師、社会福祉士。一般社団法人日本デジタルウェルビーイング協会代表理事。東京学芸大学大学院教育学研究科修了後、家庭裁判所調査官を経て、病院・福祉施設にて臨床心理士として勤務。2019年 独立行政法人国立病院機構 久里浜医療センターにて「インターネット/ゲーム依存の診断・治療等に関する研修(医療関係者向け)」を修了後、同年 ネット・ゲーム依存予防回復支援MIRA-i(ミライ)を立ち上げ。現在はネット・ゲーム依存専門のカウンセリングや予防啓発のための講演・セミナー活動を行う。2021年から特定非営利活動法人ASK認定 依存症予防教育アドバイザー。

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