地下鉄みなと元町駅の建物を見た時に「もしかしてコレ…」と思いました?実はそうなんです!【神戸市】
神戸の街を歩いていると、古くて味のある建物に出会うことがよくあります。この日も散歩を楽しんでいると、素敵な煉瓦造りの建物を発見。
入り口を覗き見て驚きました、何とそこには「みなと元町駅」の文字が。建物の中に何があるのかと思いきや、地下鉄の駅の入り口になっていたんです。
この感じ、ちょっとワクワク感がありますよね。どうなっているのだろうと近寄ってみたら、足元にも違う看板を発見。
これは地下鉄の案内ではなさそうですね、英語をじっくりみてみるとパティスリーと書かれてあります。ケーキ、チョコレート、コーヒーの文字も。中に何かあるのでしょうか、これは興味津々ですよ。
さっそく中に足を踏み入れてみました。入り口の正面には下へ降りていく階段があり、地下鉄の駅へ繋がっている様子。そして振り返ると、さっき入り口から見えていた看板がありました。
ここは栄町通、元町通方面の出口のようです。建物の中側は外観とは正反対に、コンクリートの打ちっぱなしで近代的な雰囲気。
柱に取り付けられた緑色の看板には、観光バスの「シティー・ループバス」の乗り場表示もありました。これはもう、ここも観光地ということですね。
ちなみにですが、シティー・ループバスにはバスガイドさんが乗っていて、車内で道々の観光アナウンスをしてもらえるって知ってましたか?
私は地元なのに知らなくて、初めて乗ってみた時に自分の街を観光地のような感覚で見れたのがとても面白かったんです。まだ乗ったことがない人には是非おすすめします。
さてさて、先ほど見かけたカフェの看板を確認するべく奥へと進んでみるとこんな風景が。右手がカフェですね、ガラス張りで中は横長に広がっている様子。
左手の薄いブルーのガラスは地下鉄の駅へ降りて行く階段を囲っています。この空間には木もあって自然光で明るい雰囲気。
この空間、とにかく気になったのでさらに調べて見ると「近畿の駅100選」と書かれていました。どうやらこの外壁は、旧「第一銀行神戸支店」の外壁だったようです。これはもしかして?と、気付いた人は凄いです。
そう、東京駅丸の内駅舎、日本銀行本店などを手掛けた建築家の辰野金吾さんの設計によるものなのです。確かに、どこか似ている雰囲気ですよね。
建物の別側へまわってみると、重厚な雰囲気の柱もありました。とてもしっかりした建築物です。さすが戦後、震災を乗り越えた建物だけありますね。
とは言え災害での影響は少なからずあって、どうやら残されたのは建物の全面ではなく二面だけのようです。
第二次世界大戦時には空襲で屋根と室内を焼失したり、震災後には取り壊しの話もあったそうで、何度も修復されては存在を保ってきたというこの建物。
そこまでして残されたのは、本当に価値のある建築物だからこそですよね。レンガの赤地が御影石の白で縁取られた独特なデザインは「辰野式」とも呼ばれているのだそう。
そして「近代化産業遺産」と言うプレートまでありましたよ。もう、何だかとにかく凄い建物なのだと良くわかりました。
ここは、わざわざ見に来る価値のある地下鉄の駅です。近辺の栄町の観光と合わせて遊びに行ってみてはいかがでしょうか。
神戸市営地下鉄海岸線 「みなと元町駅」(外部リンク)
※出口1側に出てください
場所:兵庫県神戸市中央区栄町通4