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マイコラスが達成していれば「失点ありのノーヒッター」は何年ぶりだった!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
マイルズ・マイコラス(セントルイス・カーディナルス)Jun 14, 2022(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 6月14日、マイルズ・マイコラス(セントルイス・カーディナルス)は、ノーヒッターの達成まで、あと1アウトに迫った。あと1ストライクだった、という見方もできる。9回表、2死走者なしのカウント2-2から、カル・ミッチェル(ピッツバーグ・パイレーツ)にセンターオーバーの二塁打を打たれた。2人は初対戦。ミッチェルは先発出場ではなく、この試合の7回裏から守備についた。

 マイコラスが逃したのは、ノーヒッターであって、ノーヒット・ノーランではない。自責点はゼロながら、4回表に1点を取られている。このイニングの先頭打者が打ったフライをレフトが落球し、無死二塁に。そこから、2本の内野ゴロで生還された。

 もし、マイコラスがミッチェルを討ち取っていれば、失点ありのノーヒッターは、2011年7月27日のアービン・サンタナ以来となっていた。

 MLB.comのジャック・ベアーとオリバー・マックリンは、あと1アウトのところでノーヒッターを逃した直近の12例――継投を含み、マイコラスが12例目――を紹介している。それによると、マイコラスの前は、2018年7月29日のショーン・ニューカム(当時アトランタ・ブレーブス/現シカゴ・カブス)だ。

 また、この12例中10例は、2011年以降だ。このスパンにおいて、あと1アウトのところでノーヒッターが途切れた頻度は、失点ありのノーヒッターよりもかなり高い、ということになる。それぞれ、10度と1度だ。おそらく、このスパンに限ったことではないだろう。2000年代に達成された、失点ありのノーヒッターは皆無。その前の3ディケイド、1990年代、1980年代、1970年代は、1度ずつだ。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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