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ベテランが意地! ソフトバンク大隣1安打快投で6勝目、長谷川が決勝ソロ

田尻耕太郎スポーツライター
試合後の若鷹スピーチに指名され「若くないよ」と苦笑いする大隣(右から3人目)。

長谷川決勝アーチ 連勝で勝率5割復帰

 

8月31日、ソフトバンクはウエスタン・リーグでオリックスと対戦した。

【8月31日 ウエスタン・リーグ タマスタ筑後 1,515人】

オリックス  000000000 0

ソフトバンク 00010000× 1

<バッテリー>

【BS】●吉田一(0勝2敗)、塚原、比嘉――伏見

【H】武田、○大隣(6勝3敗)、S二保(1敗1セーブ)――栗原

<本塁打>

【H】長谷川5号

決勝ソロを放った長谷川
決勝ソロを放った長谷川

<戦評>

2時間25分の投手戦。ホークスは先発の武田が予定の3回を無失点。2番手で大隣が登板し、5回無失点1安打無四球と好投した。大隣が6勝目。最後は二保が締めて今季初セーブを挙げた。

打線は4回に長谷川の左越え本塁打で先制。ただ、オリックス投手陣の前にチャンスは少なかった。8回先頭の釜元が二塁打を放つも、送りバントが決まらずに追加点を奪えなかったシーンは反省点だ。

ホークスは2連勝で勝率5割に復帰。首位中日まで3.5差の3位で、9月戦線に突入する。(了)

大隣、許した走者はヒット1本のみ

大隣憲司が持ち味を発揮した。

ストレートの切れ味がバツグン。だからチェンジアップとスライダーが効いた。打者が変化球狙いになると真っ直ぐ勝負で詰まらせる。5回1安打無四球で無失点。大隣のペースで試合は進んだ。

「風の影響もあった。ピッチャーから見れば向かい風だった分、変化球は良く曲がったと思います」

照れくさそうに笑ったが、その分コントロールをつけるのは難しくなる。「その条件でもしっかり両サイドに投げきることが出来ました」。やはり経験値が違う。

苦しい時はある・・・だけど

この日が6勝目(3敗)。登板数は20試合となり、ウエスタン・リーグの規定投球回数もクリアしている。一軍登板は4月の1試合のみ。2軍で過ごす時間が長い証拠だ。

「モチベーション…そうですね、難しい気持ちはあります。若いヤツらと冗談を言いながらやってますけどね。でも、やっぱり気持ちが苦しい時はありますよ。ただ、僕はアピールをしていくしかない。残り(の試合)は少なくなったけど、いつ呼ばれてもいいように準備をするだけです」

この日の試合で決勝本塁打を放った長谷川勇也、4番に座った吉村裕基も同じ1984年生まれ。先頃まではやはり同級生の本多雄一も筑後で汗を流していた。その本多は一軍に呼ばれ、お立ち台にも上がる活躍を見せた。

大隣をはじめベテラン勢も、その日がやってくると信じて、今は黙々とアピールを続けている。その努力は誰かが必ず見ているはずだ。

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。「Number web」でのコラム連載のほかデイリースポーツ新聞社特約記者も務める。2024年、46歳でホークス取材歴23年に。 また、毎年1月には数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。

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