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【希望の党】共同代表に玉木氏就任!問われるリーダーシップ。

安積明子政治ジャーナリスト
希望の党の共同代表は小池代表に近い玉木に決定した(写真:アフロ)

玉木氏が得た39票

 11月10日に行われた希望の党の共同代表選挙で、玉木雄一郎衆議院議員(48)が選任された。国会議員票53票のうち、39票が玉木氏に投じられた。小池百合子代表に近く、チャーターメンバーが味方に付いた玉木氏の勝利は予想通りだと言える。

 しかしながら勝利の結果はともかく、7割強の得票率は「大勝」と言えるのか。あるチャーターメンバーは投票前に、「玉木氏は4対1以上で勝たなくてはいけない」と語っている。

 その理由は、玉木氏の対抗馬の大串博志衆議院議員(52)が、「憲法9条改正反対」「安保法制反対」の姿勢を明確にしたからだ。さらに大串氏は、新進党や無所属の会、立憲民主党との“連携”まで言及した。そうなれば何のために希望の党を作ったのか。チャーターメンバーにしたら、不愉快なことに違いない。「出て行ってほしい」とそのチャーターメンバーは言ったが、それが本音だろう。

 だが共同代表選では玉木氏は、「9条改正」について「すぐにというわけではない」と述べ、「安保法制」についても「不都合な箇所は改正すべき」と主張して、反対派との妥協を図った。共同代表に就任早々に離脱者が出てしまっては、自身のリーダーシップに傷が付く。

 いずれにしろ、共同代表に就任した後に取り組むべき課題は多い。まずは支持率のアップだ。

課題は支持率アップとイメージチェンジ

 テレビ朝日が11月4日・5日に行った電話調査(全国18歳以上の男女1698人に実施。有効回答率66.0%)によると、希望の党の支持率は4.4%で前回の調査から5.2ポイントも下落している。一方で立憲民主党は19.9%で、希望の党の5倍近くにもなる。その他の調査を見ても、支持率は立憲民主党の方がはるかに高い。

 これになんとか追いつきたいというのが、当面の課題だろう。さらに党のイメージアップも大事だ。

 共同代表選で勝利した時、玉木氏は「希望の党を土の匂いのする政党にしたい」と述べている。これまでの希望の党といえば、横文字が好きな小池代表の都会的なイメージが強かった。それを一気に塗り直すつもりなのか。もっとも国政政党としては、地方を重視することは欠かせない。

 玉木氏は週明け早々、新しい人事を発表する予定だ。外遊中の安倍晋三首相が帰国して所信表明を行うのは11月17日。それから始まる国会論戦に、玉木氏が率いる希望の党はどのように挑んでいくのだろうか。その将来に「希望」はあるのか、しっかりと見届けたい。

政治ジャーナリスト

兵庫県出身。姫路西高校、慶應義塾大学経済学部卒。国会議員政策担当秘書資格試験に合格後、政策担当秘書として勤務。テレビやラジオに出演の他、「野党共闘(泣)。」「“小池”にはまって、さあ大変!ー希望の党の凋落と突然の代表辞任」(ワニブックスPLUS新書)を執筆。「記者会見」の現場で見た永田町の懲りない人々」(青林堂)に続き、「『新聞記者』という欺瞞ー『国民の代表』発言の意味をあらためて問う」(ワニブックス)が咢堂ブックオブイヤー大賞(メディア部門)を連続受賞。2021年に「新聞・テレビではわからない永田町のリアル」(青林堂)と「眞子内親王の危険な選択」(ビジネス社)を刊行。姫路ふるさと大使。

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