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西から「貴重な洗濯日和」突入も、連休にかけ台風21号の影響警戒…なぜUターンしてくる?気象予報士解説

植松愛実気象予報士・防災士・野菜ソムリエ
30日9時の予想天気図(気象庁HPより)。本州付近は天気回復も沖縄には台風の雨雲

30日は朝のうち四国~東北で雨のところが多いものの、時間とともに天気が回復に向かい、西日本を中心に今週の「貴重な洗濯日和」となりそうです。

一方、沖縄や奄美には台風21号の外側の雨雲がかかり始め、今後台風はUターンするように3連休の本州付近に近づくおそれがあります。なぜいったん西へ向かった台風が東へ戻ってくるのか、今後の見通しを含めて気象予報士が解説します。

30日は本州付近で天気回復

30日(左)朝、(中)昼過ぎ、(右)夜の天気分布予報(気象庁HPを元に作成)。
30日(左)朝、(中)昼過ぎ、(右)夜の天気分布予報(気象庁HPを元に作成)。

30日は朝のうち、東海・関東~東北にかけて本降りの雨で、四国や北陸の一部でも降りそうですが、日中にかけて天気は回復に向かう見込みです。

北日本では日中~夜にかけても曇りや雨のところがあるものの、西日本では朝から日差しが届くところも多く、雨が多い今週の中では貴重な洗濯日和に。

31日(木)になると午後には西から天気が下り坂となり、1日(金)には東海や関東でも天気が崩れるため、貴重な晴れ間を有効に活用してください。

台風21号はなぜ"Uターン"?

台風情報(気象庁HPより)
台風情報(気象庁HPより)

今回の21号にかぎらず、台風は日本付近の緯度まで北上してきたところで急に右折するかのように"Uターン"する進路を取ることが多い、と感じている人もいるのでは。
これは、台風が太平洋高気圧の縁(ふち)に沿うように進むことが多いためです。

秋に台風がUターンしやすい理由のイメージ(筆者作成)
秋に台風がUターンしやすい理由のイメージ(筆者作成)

といっても、このように進むのはたいてい9~10月頃の話で、今回のように11月に入るようなタイミングで"Uターン"の進路を取るのは、太平洋高気圧が平年より強いため。
なお、この"Uターン"のタイミングが少しでもズレるとその後の進路が大きく変わってしまうことが多いため、1日(金)頃に出る最新の情報には注意が必要です。

台風は急にやってきて急に"冬"が来る!?

週間予報(気象庁HPを元に作成)。
週間予報(気象庁HPを元に作成)。

台風21号はさきほどの進路図の通り、31日(木)~11月1日(金)頃に台湾に最接近し、その後"Uターン"して西日本に向かってくる見通し。
台湾付近を通る際にかなり勢力を落とす予想で、西日本~東日本に接近する3連休の頃には台風ではなく低気圧になっている見込みです。

そして偏西風という上空の速い風に流されるため、一気に接近して通過することに…、たとえ低気圧になっていても、急激に雨や風が強まるおそれがあり警戒が必要です(警報が出る可能性がある地域については気象庁HPの「早期注意情報」を参照)。

さらに、この台風から変わった低気圧が東の海上へ抜けると、日本付近は西高東低の「冬型」の気圧配置に。一気に寒気が流れ込んで、札幌で雪の予想。また全国的に急激に冷え込みそうです。

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気象予報士・防災士・野菜ソムリエ

気象予報士・防災士として講演・執筆を行う傍ら、野菜ソムリエ・食育インストラクター・薬膳マイスターとして出張料理人(一般家庭での作り置き代行)としても活動。NHK・民放各局で気象キャスターを歴任し、報道の現場や防災、気候変動・地球温暖化に関する最新情報にも詳しい。著書に『天気予報活用ハンドブック~四季から読み解く気象災害』(竹下愛実名義・共著)がある。

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