出掛ける前からジャズ気分:スタンダードを封印して臨むバンドネオンの新境地(北村聡@東京オペラシティ)
バンドネオンはリードオルガンやアコーディオンから派生した楽器。
詳しい説明については、気鋭のバンドネオン奏者のひとりである小松亮太のサイトにあった文章を引用したい。
形はアコーディオンに似ていると言われることが多いですが、音色は独特なものがあります。
また、この楽器は構造上、雅楽に使われている笙という楽器や、ハーモニカと同じ系統に分類されます。
バンドネオンは、アルゼンチンではなく、ドイツで生まれた楽器です。
1821年、楽器商のハインリッヒ・バンドによって発明されました。
バンドさんの作った楽器なので、バンドネオンという名前になったということです。
バンドネオンは最初は、教会で演奏される携帯用オルガンの役割を担っていました。
それがなぜアルゼンチンに渡ったのかは詳しくは不明ですが、
船乗りがドイツからアルゼンチンに持っていったのがきっかけになった、というのが有力な説です。
この小松亮太の演奏に大学1年のときに出逢い、「触ってみたい」と思ったことがきっかけでバンドネオンを始めたのが北村聡だった。2〜3ヵ月に1度のレッスンを重ねるうちに小松から「上京しないか」という誘いを受けて軽い気持ちで東京へ出ていくと、いきなりプロにまじって演奏する機会を得て、そのまま引く手数多の人気奏者になってしまったという“シンデレラ・ボーイ”である。
バンドネオンといえばアルゼンチンタンゴ、そしてアルゼンチンが生んだ世界的かつ革新的な作曲家であるアストル・ピアソラの名曲を避けて通るわけにはいかない。
ところが今回の公演では、それを避けてしまおうというのだ。
予告されている内容は以下のとおり。
前半はスカルラッティ、フレスコバルディ、J.S.バッハとバロックの作品をバンドネオン・ソロで。
後半は中島ノブユキ、加藤昌則、武満徹といった日本の作曲家がバンドネオンのために書いた作品と、アルゼンチンの作曲家に委嘱した作品(グスタヴォ・ベイテルマンの「バンドネオンのための<即興曲I>」は世界初演)などを、東京交響楽団首席チェロ奏者の西谷牧人とオルケスタ・アウロラの鈴木崇朗を交えて。
“十八番”を封印したバンドネオンは、なにをどのように表現しようとするのかーー。
では、行ってきます!
♪Richter plays Bach Fantasia in C minor, BWV 906
演奏予定のJ.S.バッハ「ファンタジア ハ長調 BWV906」をスヴャトスラフ・リヒテルのピアノ・ソロで予習。