カラフルになった議会 「女性議員が半数以上」でどう変わる?
七色の風が、部屋の中を流れているーー。そんな感じがした。
4月25日午後、東京都の杉並区議会の委員会室。そこには、前日に開票された区議選で当選を決めた者たちが集まっていた。
今回の選挙で当選したのは48人。そのうち、女性が24人、男性が23人、性別非公表が1人という結果だ。改選前は約3割だった女性議員の比率が一気に上がり、半数以上となった。
東京新聞によると、東京都内の市区議選で当選した女性の比率は35.25%。それを大きく上回る。原動力となったのは、初当選を果たした12人の女性たちだ。
「女性が増えると雰囲気がフワッと軽くなる」
この日、杉並区議会の委員会室では「当選証書」の付与式が開かれた。当選した48人のうち、欠席した3人(全員現職)を除く45人が出席した。
議会の女性比率が増えると、まず、なにが変わるのか? それは「色」だ。
国会でも地方議会でも、男性議員の大半は紺色のスーツを着ている。ときどき和装の議員もいるが、ごく少数である。ところが、女性議員の服装は紺とは限らない。さらに、スーツでない女性議員もいる。
杉並区議選の当選付与式が、まさにそんな光景だった。ピンク、イエロー、グリーン、ブルー、ホワイト・・・実に多様な「色」を身にまとった女性の当選者たちがいた。
当選者たちは、一人ひとり前に出て、選挙管理委員会の本橋正敏委員長から証書を受け取った。「初めてだったので、どう動いていいのか、よくわからなかった」。そんな感想をもらした新人もいる。
今回の区議選で、トップとなる6532票を集めて初当選した安田真理(やすだ・まり)さんは、こんな感想を口にした。
「女性が半分以上いるので、これまでの『ザ・議会』という雰囲気からフワッと軽くなった印象があります。女性が居づらいという感じではないですね」
「いろんな服装の形がある」
選挙管理委員会の小井(こい)みずほ委員は、議会となると女性もスーツを着るのが当然だった時代との違いを指摘する。
「いろんな服装の形がありますね。昔だったらクレームがついたかもしれませんが、いまは自由になりました」
昨年7月、「多様性があふれる新時代の自治体」を目指す岸本聡子区長が新たに就任し、杉並区政は全国的に注目されるようになった。
そんな変化のなかで迎えた今回の区議選。現職議員が12人落選した一方で、新人候補が15人当選した。そのなかには、岸本区長が選挙を支援した女性候補が数多く含まれている。
新たに当選した議員たちの任期は5月1日から。以前よりもカラフルになった杉並区議会はどのように動いていくのだろうか。