「1試合29得点」がナ・リーグ新記録ということは、ア・リーグには「1試合30得点」以上があるわけで…
9月9日、アトランタ・ブレーブスはマイアミ・マーリンズと対戦し、29対9で勝利を収めた。1試合29得点は、モダン・ベースボール(1900年以降)のナ・リーグ新記録だ。これまでは、セントルイス・カーディナルスが1929年7月6日に挙げた28得点が、ナ・リーグ最多だった。91年ぶりに記録が塗り替えられた。
ただ、ブレーブスの1試合29得点は、1900年以降のナ・リーグ新記録であって、メジャーリーグ新記録ではない。ア・リーグでは2度の1試合29得点――1950年6月8日のボストン・レッドソックスと1955年4月23日のシカゴ・ホワイトソックス――に加え、1試合に30得点を挙げたチームも存在する(ア・リーグは1901年からなので「モダン・ベースボール」という但し書きは不要だ)。
しかも、この1試合30得点は、大昔ではない。今から13年前、2007年8月22日のことだ。ダブルヘッダーの1試合目に、テキサス・レンジャーズがボルティモア・オリオールズを30対3で破った。こちらは、27点差も、1900年以降の1試合最多だ(点差と違い、30得点と表裏一体の30失点は「~も」とは表現しない)。
9月9日の試合には出場しなかったが、ブレーブスのアクティブ・ロースターにいるニック・マーケイキスは、13年前の試合を経験している。当時、オリオールズに在籍していたマーケイキスは、「3番ライト」として出場し、3回裏にリードを2点に広げる二塁打を打った(オリオールズは3対0から逆転された)。
また、どちらの試合でも、勝利を味わった者もいる。ロン・ワシントンがそうだ。13年前、ワシントンはレンジャーズの監督を務めていた。現在は、ブレーブスの三塁コーチだ。
なお、元内野手のワシントンは、1977年と1981~89年にメジャーリーグでプレーした。だが、1960~80年代の1試合25得点以上は、1985年6月11日のフィラデルフィア・フィリーズ(26得点)しかなく、当時のワシントンはミネソタ・ツインズに在籍していた。フィリーズはナ・リーグ、ツインズはア・リーグ。異なるリーグのチームが対戦するインターリーグは、まだ始まっていなかった。