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東方神起か、BTS(防弾少年団)か…NHK紅白出場の可能性を探る上で知っておきたいこと

慎武宏ライター/スポーツソウル日本版編集長
東方神起となれば7年ぶりの紅白となるが…(写真:Lee Jae-Won/アフロ)

この時期になると何かと騒がしくなるのが、年の瀬の12月31日に行なわれるNHK紅白歌合戦の出場歌手の顔ぶれだ。

今年のヒット曲や話題になったアーティストの中で誰が選ばれ誰が漏れるかなど、賞レースならぬ出場歌手予想がちらほら見受けられるが、今年はK-POP界隈が何かと注目を集めているらしい。

つい先日も有名夕刊紙で、東方神起とBTS(防弾少年団)に紅白出場の可能性が報じられてネットで話題になったという。

ともに今年はアーティストとして活躍し、さまざまな金字塔を打ち立ててもいるだけに、話題性も十分。候補として名が挙がるのも当然かもしれない。

(参考記事:東方神起か、それともBTS(防弾少年団)か。“記録製造機”の世代交代の現実味)

そこで気になるのがスケジュールだ。紅白歌合戦が行われるのは12月31日だが、東方神起とBTSの予定はどうなっているのだろうか。

現状では東方神起、BTSともに日本では決まった予定はないようだ。

9月26日から始まった東方神起の全国ツアーは、12月になると東京ドーム(4日、11日、12日)と京セラドーム大阪(15日、16日)と続いたあとで一旦小休止。年明け1月18日に京セラ大阪ドームで再開されるまで、全国ツアーの予定はない。

11月13日から4大ドーム公演が始まるBTSも現時点では12月末の予定は発表されていない。ドームツアーが再開されるのは、年が明けた1月12日のナゴヤドームからだ。

ともにドーム級の大型コンサートを連発している自体が韓国では凄いことなのだが、その韓国でも12月になると人気アーティストたちは忙しくなる。

(参考記事:東方神起が久々の韓国公演!! だが、意外と知られていない日韓コンサート事情とは?)

というのも、韓国では12月下旬になると、各放送局の年末授賞式が目白押しなのだ。韓国にはKBS、SBS、MBCが全国ネットの地上波として有名だが、いずれも演技大賞、演芸大賞、歌謡賞があり、そのほとんどが年末に集中てしている。

『KBS歌謡大祝祭』は12月最終週の金曜日、『SBS歌謡大典』は12月末、『MBC歌謡大祭典』は大晦日に行われるのが定番なのだ。

昨年は『SBS歌謡大典』が12月25日、『KBS歌謡大祝祭』が12月29日、『MBC歌謡大祭典』に至っては12月31日の大晦日に行われている。おそらく今年も年末に3局の音楽祭があることは間違いなく、いずれの放送局も東方神起とBTSにはラブコールを送るはず。

そんな中で紅白出場ともなれば、韓国と日本を行き来することになる。昨年はTWICEが、チャーター機で日韓を往復する離れ業をやってのけたが、今年もそんなことが起きるかもしれないわけだ。

個人的に思い出すのは、2004年の第55回紅白歌合戦だ。この年に日本で盛り上がった韓流ブームへの感謝を伝えるために、俳優イ・ビョンホンがスペシャルゲストとしてステージに立つことになり、筆者も帯同してNHKホールで行われた紅白歌合戦の舞台裏を見ることができたが、大勢のアーティストたちが入れ替わり立ち代わりでステージを彩ることもあって、本番はもちろん、リハーサルから慌ただしく見ているだけで目が回ったものだ。

そんな中でも素晴らしい歌とパフォーマンスを披露する出演者たちを控室で見ながら「さすがトップアーティスト」と唸ったものだが、その紅白歌合戦のステージにふたたびK-POPの男性アーティストが立つことになるのだろうか。

実現すれば2011年以来のこと。当時はKARA、少女時代に加え、東方神起が紅白のステージに立った。だが、それから5年間、韓国人アーティストは紅白のステージから姿を消した。昨年のTWICEがK-POPアーティストとしては6年ぶりの紅白だった。

(参考記事:5年連続で紅白歌合戦出場ゼロでもK-POP業界が妙に強気な理由)

そのTWICEの2年連続出場はなるか。K-POP男性枠の復活をあるのだろうか。その復活の狼煙をあげるのが東方神起なら7年ぶり4度目、BTSなら初出場になる。どちらになっても、韓国でもビッグニュースになることは間違いないだろう。

ライター/スポーツソウル日本版編集長

1971年4月16日東京都生まれの在日コリアン3世。早稲田大学・大学院スポーツ科学科修了。著書『ヒディンク・コリアの真実』で02年度ミズノ・スポーツライター賞最優秀賞受賞。著書・訳書に『祖国と母国とフットボール』『パク・チソン自伝』『韓流スターたちの真実』など多数。KFA(韓国サッカー協会)、KLPGA(韓国女子プロゴルフ協会)、Kリーグなどの登録メディア。韓国のスポーツ新聞『スポーツソウル』日本版編集長も務めている。

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