「かわいすぎませんか」との話題も。国籍を“韓国”に変更して平昌五輪に挑む選手たち
いよいよ明日、開幕する平昌五輪。
現地でも五輪ムードが高まっているが、開催国の韓国代表に、今大会のために韓国籍を取得した選手が大勢いることをご存じだろうか。
「かわいすぎませんか?」と話題の選手も
その数、実に18人。韓国代表選手団144人のうち、12.5%がもとは外国国籍出身選手となる。
つまり、韓国代表の10人に1人以上が新たに韓国籍を取得した選手となるわけだが、これは夏季・冬季五輪を合わせ、韓国史上最多となる人数だ。日本ではあまり起こらない「薬か、毒か」論争も起きたが、開幕を目前に控え、今やそのような賛否もなくなった。
種目別に見ると、もっとも多い男子アイスホッケーが7人。そのほか、バイアスロン(4人)、フィギュアスケート・アイスダンス(2人)、スキー(2人)、リュージュ(1人)となる。
南北合同チームが結成され、国内外で注目を集めている女子アイスホッケーの韓国代表にも、美女選手として話題を呼んでいるキャロライン・パクをはじめ、4人の外国籍出身選手が所属している。
(参考記事:「かわいすぎませんか?」アイスホッケー南北合同チーム選手、キャロライン・パクとは)
また、出身国の内訳は、8人のカナダが最多で、米国(5人)、ロシア(3人)、ノルウェー(1人)、ドイツ(1人)と続いている。
韓国に外国出身選手が多い理由
そもそも韓国は、平昌五輪に向けて戦略的に外国人選手を迎え入れてきた。
というのも、これまで韓国が冬季五輪で成績を残してきたのは、ショートトラックとスピードスケートぐらいで、フィギュアスケートもキム・ヨナの引退以降はタレント不足に悩まされている。
雪上競技にいたっては、冬季五輪で一度もメダルを獲得したことがないほどで、まさに不毛地帯だった。
しかし、そんな状況のまま平昌五輪を迎えては、開催国の威厳を損ねることは免れない。そこで考えたのが、優秀な外国人を韓国に迎え入れるということだったわけだ。
実際、2011年からは、いわば特権的に韓国籍を付与する特例処置を実施。数多くの外国人選手を迎え、各種目で成績を挙げてきた。
特に注目すべきは男子アイスホッケーだ。ソウル生まれで少年期にカナダに移民し、のちにNHLでも活躍したジム・ペクを監督に迎え、着実に強化を進めてきた。7人の選手たちの出自はそれぞれ異なり、興味深いチーム構成になっている。
(参考記事:韓国アイスホッケー躍進の原動力となった「国籍変更政策」と「移民監督」のヒミツ)
それだけに、韓国メディアも、「青い目の太極戦士たち、平昌五輪の孝子となるか」(『mydaily』)、「平昌出場の帰化選手(引用ママ)、世界大会で活躍が相次ぐ」(『江原道民日報』)などと外国出身選手たちに期待を寄せている。
最近も、フィギュアのアイスダンスに出場するアレクサンダー・ガメリンとミン・ユラ(いずれも米国出身)が、1月の四大陸選手権で韓国史上最高成績タイとなる7位に入って注目を浴びている。
(参考記事:“アメリカ出身の韓国代表”フィギュアスケーター、ミン・ユラが「美しすぎる」と話題)
ちなみに、韓国には、逆に韓国籍を放棄して外国に渡る選手もいる。
特にお家芸のショートトラックでは、国内での競争の激しさも一因となり、米国(ホン・インソク)、フランス(チェ・ミンギョン)、カザフスタン(キム・ヨンア)などに国籍を変更するケースが少なくない。
06年のトリノ五輪でショートトラック種目3冠を達成し、11年にロシアに国籍を変更したアン・ヒョンス(ビクトル・アン)の名は、日本のスケートファンの間でも知られているだろう。
韓国国籍を選んだ者と、国籍を変えて新たな道を選んだ者たち。そのアプローチに違いがあれど、五輪という最高のステージで輝くために、国籍変更という大きな決断をしたのは間違いない。
彼らの挑戦にも注目しながら、平昌五輪の開幕を待ちたい。