どうして高気圧なのにこんなに寒いの?このさきの気温は??気象予報士解説
24日の日本列島は、西日本付近に低気圧や前線、東日本~北日本は高気圧に覆われていて、素直に考えれば西日本が雨、東・北日本が晴れて暖かくなりそうな気圧配置です。
ところが実際には直観に反して、東日本も北日本も広く雨。しかも関東から北海道まで広い範囲で気温が日中でも15度程度と、かなりヒンヤリしています。
これには、高気圧をとりまく「風」が関わっています。
時計回りの風はどっちから吹いてくる?
高気圧の周りの風は、時計回りに吹きます。小学校や中学校の理科で聞き覚えのある人も多いかもしれませんね。
そして、時計回りに吹きながら、中心から周囲へと吹き出すように流れます(低気圧は逆で、反時計回りに中心に向かって吹きます)。
東~北日本を高気圧が覆っている状態で、時計回りの風が吹き出すと、関東や北日本太平洋側には、北東から風が吹いてくることになります。
北東ということは、東側つまり海から吹いてくる湿った風。しかも北側つまり寒い側から吹いてくる冷たい風でもあります。
そのため、高気圧がかなり近くにあるにも関わらず、曇りや雨のじめじめした天気になり、気温も上がらないのです。
冷たい風をもっと冷たくする海
前述の北東風がどこからどこを通って吹いてくるかというと、高気圧はオホーツク海にありますので、オホーツク海から太平洋の海上を通ってくることになります。
オホーツク海は、冬には流氷に覆われるような非常に冷たい海。そして、そこから南へと流れるのは寒流である親潮(千島海流)です。
つまり、この北東風は、もともと冷たい海からやって来ている上に、道すがら冷たい海流の上を通ってさらに冷やされた状態で、関東や東北・北海道太平洋へと吹き込んでいるのです。
25日には一気に真夏日へ
今回のような、オホーツク海にある高気圧による冷たく湿った北東風は、何日も持続すると冷夏を引き起こすやっかいな風ですが、今回の場合は今日24日までで解消される見込み。
かわって明日25日には一気に暑さがやってきて、30度に達し真夏日となるところも出てきそうです。
東京都心では最高気温が24日は17度、25日は26度と9度も上がり、甲府(山梨)では24日が19度、25日が30度と、11度も上がる予想。
急な気温変化で、普段より疲れやすくなってしまったり、体調を崩してしまったりすることも。仕事や運動は無理をせず、休憩と水分を取りながら過ごしましょう。
また1か月予報によると、このさき5月にかけても平年を上回る暑さが予想されているため、大型連休のおでかけは暑さ対策を優先して計画した方がよさそうです。