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ローマ字で自分の名前を書く場合に気を付けたいこと

栗原潔弁理士 知財コンサルタント 金沢工業大学客員教授
(写真:GYRO PHOTOGRAPHY/アフロ)

「外相、日本人名のローマ字表記も"姓→名"の順で」というニュースがありました。

河野外務大臣は、東京オリンピック・パラリンピックといった国際的な行事が控える中、各国の主要な国際報道機関に、日本人の名前のローマ字での表記について日本語と同じ『姓』『名』の順番とするよう求める考えを示しました。

ということです。

これ自体に異論はないのですが、強制というわけではなく、今まで通り「名→姓」の表記も使われると思うので、外国の方にとっては日本人の名前表記で(よほど有名な名前でない限り)どっちが姓でどっちが名なのかがわからないという問題が生じ得ます。

大昔になりますが、取引先の日本企業経由でその海外本社に飛行機のチケットを手配してもらった時に、現地担当者が姓と名を逆に入力してしまったことで、成田で発券できず一悶着したことがありました(当時から中国の人等は「姓→名」で表記することもあったので、現地担当者が混同したと思われます)。

このような問題を防ぐために、少なくともメール等では、KURIHARA Kiyoshiと言ったように、姓を全部大文字化して表記する慣習があります(特にアジア圏においては一般化していると思います)ので、この機会に周知してもよいのではないかと思います。

さらに言うとメールのシグネチャで、女性の場合には、たとえば、KURIHARA Hanako (Ms.) のような表記をしていただくと、返信の時にMr.かMs.か迷わなくてすむのでありがたいです(アジアや東欧圏だと文字面だけでは女性か男性かさっぱりわかりませんし、西欧系の名前でも男女両方に使われる名前もあるからです、事前にFacebook等で顔写真がチェックできればよいのですが)。アジア圏の弁理士先生で、てっきり男性かと思ってメールでずっとMr.で呼んでいた人が、リアルで会ったら女性だったのでびっくりしたことがありました。かと言って、メールであなたは女性ですか男性ですかと聞くのもちょっと失礼です。また、ジェンダーフリーという観点から言えば、男性の場合でもKURIHARA Kiyoshi (Mr.) のように表記した方がよいのかもしれません。

弁理士 知財コンサルタント 金沢工業大学客員教授

日本IBM ガートナージャパンを経て2005年より現職、弁理士業務と知財/先進ITのコンサルティング業務に従事 『ライフサイクル・イノベーション』等ビジネス系書籍の翻訳経験多数 スタートアップ企業や個人発明家の方を中心にIT関連特許・商標登録出願のご相談に対応しています お仕事のお問い合わせ・ご依頼は http://www.techvisor.jp/blog/contact または info[at]techvisor.jp から 【お知らせ】YouTube「弁理士栗原潔の知財情報チャンネル」で知財の入門情報発信中です

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