高校生が開いた譲渡会で子犬や子猫からもらわれる現実。打開策はあるのか?
進徳女子高校(広島)には、捨てられた犬・猫の新しい家族を探すという全国でも珍しい部活があるそうです。譲渡会を行った高校生たちは、成犬や成猫は子犬や子猫に比べて里親が見つかりにくいという現実を知ったと高校生新聞は伝えています。
譲渡会では子犬、子猫から里親が見つかる
進徳女子高校の譲渡会だけが特別ではありません。どこの譲渡会でも子犬、子猫から里親が見つかります。譲渡会では、このような傾向があるのです。
日本の飼い主は、犬や猫を飼うのなら若い子をという考えが根強いです。成犬や成猫を飼い始める人は少ないです。
ペットショップで、犬や猫を求める人は、特に生後間もない子犬や子猫を購入します。あまりにも幼い子犬や子猫を流通させると、病気になりやすかったり、母犬や母猫の元で社会性が身につかなかったりするので、動物愛護管理法で生後56日以下の販売は違法としています。
日本の飼い主の子犬や子猫は、価値のあるものという考え方が変われば、ペットショップの売れ残り問題が少なくなるのでしょう。生後半年を過ぎると犬や猫の価格がバーゲンセールされるのは、このような理由です。
成犬、成猫は飼いにくいのか?
成犬、成猫は飼いにくいのでしょうか?
もちろん、子犬や子猫が持っている幼いかわいさはないかもしれませんが、成犬や成猫になっている(高齢犬や高齢猫ではないと)と、病気になりにくいです。
仕事で家を留守にしていても、成犬や成猫なら数時間なら大丈夫です。特に、猫の場合は、寝ていることが多いので、子猫のように手間がかかりません。
一方で、成犬や成猫は、前に世話していた人に懐いていたので、子猫、子犬に比べて次の飼い主に懐くまで時間がかかります。
飼い主が緊急入院で、15歳の犬を預かる
犬の平均寿命が約14歳なので、15歳ならかなりの高齢犬です。飼い主が緊急入院をしたので、15歳のミニチュアダックスフンドのミーちゃんを預かりました。その犬は、がんの治療中だったので、ペットホテルに預けるわけにはいかないので、筆者が引き受けました。
ミーちゃんの体重は、4キロ少しなので筆者が職場にいるときは、そこにいて治療をして、筆者の家に帰るときに一緒に帰宅しました。
初めは、筆者が注射をする、口を開けて薬を飲ませる、強制給餌するなどするので、ミーちゃんは、筆者の家では物陰に隠れていました。ミーちゃんからすれば、筆者は嫌なことばかりする人だったからでしょう。
そんなミーちゃんを見て、早く飼い主が退院されないかな、と思っていました。食欲がないミーちゃんに、鰹のタタキの細かく裂いてミーちゃんの口元に持っていきました。
すると、ミーちゃんは、それが気に入ったらしく、文字通りパクパク食べました。ドッグフードを食べるのを嫌がっていた犬とは思えない変化でした。
それから、ミーちゃんは、筆者のことを飼い主ではないけれど、美味しいものをたまにくれる人と認識したのか、物陰に隠れていることがなくなり、近くによってくるようになりました。
成犬や成猫は、心を開いてくれるのに時間がかかるかもしれませんが、その子のことを思って行動をしていると、このようになっていくのです。人対人より、犬や猫対人のほうが、早く心を許し合えるようになる場合もあります。
成犬、成猫を飼う難しさ
譲渡会で、成犬や成猫が里親を見つけるのが難しいということを知って、その使命感で高齢犬や高齢猫の里親になれば、いいということはないのです。
高齢犬や高齢猫は、加齢による病気になっていることが多いです。がんを持っていなくても犬なら心臓病、猫なら腎不全を持っている子が多いのです。
その辺りのことを理解して、彼らと一緒に住んでいこうと考えられる人が、成犬や成猫の里親になっていただけるとありがたいです。
まとめ
成犬や成猫が譲渡されにくいという問題を解決するためには、社会全体で啓発活動を行い、成犬や成猫への理解を広める必要があります。このようなことを多くの人が、共有することも大切です。
このようなことを積み重ねていけば、多くの成犬や成猫が新しい家庭を見つける機会が増えるのではないでしょうか。犬や猫をより理解することで、終生飼養が守られ保護犬や保護猫が少なくなる社会になるように。