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これぞ潰しのボランチ! プレミア戦士がMLSで躍動

林壮一ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属
(写真:ロイター/アフロ)

 「モノが違う」。

 イングランド・プレミアリーグのノッティンガム・フォレストから昨年、MLS(メジャー・リーグ・サッカー)、DCユナイテッドに加入し、その後、英2部のミドルズブラを経て、今回LAFCの背番号8となったルイス・オブライアンの存在感は、「桁違い」と表現できた。

写真:ロイター/アフロ

 2022年、イタリア代表を引退したばかりの名DF、ジョルジョ・キエッリーニを、今シーズンは、フランス代表のキャプテンを務め、2018年W杯ロシア大会で優勝。2022年のカタール大会は準優勝を果たしたGKのウーゴ・ロリスを獲得したLAFCだが、今回の補強もファンを唸らせるものだ。

 25歳のミッドフィールダー、オブライアンはレンタルでの移籍だが、これから円熟期を迎えるとあって、誰よりも溌剌とした動きを見せる。身長173cmと背が高い訳ではないが、運動量が豊富で相手の攻撃の芽を摘み、危険を感じると即に敵を潰す。惚れ惚れする程のファイターである。

写真:ロイター/アフロ

 オブライアンの入団が発表された際、LAFCの共同社長兼ゼネラルマネージャーのジョン・ソリントンは言った。

 「ルイスをロサンゼルスに迎えることができて非常に興奮している。彼はダイナミックなミッドフィールダーで、我がチームの中盤を支えるだろう。トロフィーを得るのに役立つことは分かっている。ノッティンガム・フォレストと彼の代理人であるケビン・シャープのプロフェッショナリズムにも感謝したい」

写真:ロイター/アフロ

 現地時間8月31日のヒューストン・ダイナモ戦で、オブライアンは77分プレー。チームは0-2で敗れた。

 リーグ戦で上位をキープしながら複数のカップ戦にも生き残るLAFCは、このところ過密日程で疲弊していたのが敗因だ。オブライアンの闘志と体を張ったドゥエルは、既にLAFCにカンフル剤となっている。

写真:ロイター/アフロ

 「タフなゲームだった。我がチームは、皆、疲れている。ルイスを下げたのは、無理させられなかったから。次の週末にも同じ相手、ダイナモとのゲームがあるしね」

 LAFCのスティーブ・チェルンドロ監督は、試合後の記者会見でそう語った。

撮影:筆者
撮影:筆者

 オブライアン本人も話した。

「前半と後半の戦い方の変化が上手く機能せず、残念な結果に終わってしまった。非常に失望しているよ。LAは気温25度で暑いね。このチームのサッカーに早く慣れなければ」

 記者会見場を出た英国人MFには、ファンから多くの賞賛が浴びせられた。LAFCの背番号8に注目だ。

ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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