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井上尚弥のマッチメイクを手掛けるTop Rank社が売り出す3兄弟

林壮一ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属
Top Rank  左からケーオン、キーショーン、ケルヴィン

 東京五輪ライト級で銀メダルを獲得した、キーショーン・デービスのプロ13戦目が決まった。目下、11勝(7KO)1ノーコンテストのデービスは、11月8日、アルゼンチン人のグスタヴォ・レモスを相手に10回戦のリングに上がる。

 場所は、デービスの故郷であるバージニア州ノーフォークのスコープ・アリーナ。当地で大きなボクシング興行が催されるのは、1994年の10月1日に行われたWBCウエルター級タイトルマッチ、パーネル・ウィティカーvs.バディ・マクガート戦以来だ。

 キーショーン・デービスは、ノーフォークから誕生したウィティカーに継ぐ逸材である。

写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 11月8日のアンダーカードには、スーパーライト級で13戦全勝7KO勝ちと快進撃を続けるキーショーンの兄、ケルヴィンが8回戦に登場し、15勝(10KO)3敗のイエイス・ソラノと対戦する。また、五輪銀メダリストの弟であるケーオンのデビュー戦も組まれた。

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 29勝(19KO)1敗のレモスを郷里で迎え撃つ、キーショーンは語った。

 「Top Rankがこの街で我々の試合をセットしてくれたことを、心から光栄に思う。自分たちがどこで生まれ育って、いかに生きてきたか。それを知る隣人たちと共に戦うよ。単なるボクシングマッチ以上の意味があるね。

 ジムに通う子供達が楽しみを見出すように、当日は試合を目にする全ての人々と喜びを共有したい。アトランタ、ニューヨーク、シカゴのようなコミュニティが、ここにも確立されることを望んでいる。

写真:代表撮影/ロイター/アフロ

 レモスはいい選手だ。戦えるよね。ただ、俺は危険なファイターなんだ。彼が打ち合いにくるなら、望むところさ。俺に勝つには、何かを見せなきゃな。こちらは、それを封じ込めるけれど。とにかく、11月8日を素晴らしい夜にしてみせるよ」

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 ケルヴィンも話した。

 「こんな機会を頂けて、ありがたい。私達兄弟は子供の頃から、一緒に試合に出られたら‥‥と夢を口にしてきた。パーネル・ウィティカーに憧れ、彼を応援していた自分たちが、そのレガシーを受け継ぐなんて感慨無量だ。

 ウィティカーは、地元のアマチュア大会に時折顔を見せ、我々にいくつかアドバイスをくれた。お陰で成長できた部分がある。ホームタウンで火花が散るファイトをするよ。KOで勝ってみせる」

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 デビュー戦を控えたケーオンも言った。

 「最高の夜にしなきゃ。これ以上ないチャンスですから。兄がプロとして初めて故郷のリングに立つ日の前座に出られるなんて、パーフェクトなタイミングですよ。必ずノックアウトを飾ってみせます」

 2019年7月に55歳で永眠したウィティカーも、天で後輩たちの成長に目を細めているだろう。

ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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