Yahoo!ニュース

ヤンキースが50勝に一番乗り。72試合以下で到達した9度のうち7度はワールドシリーズ優勝だが…

宇根夏樹ベースボール・ライター
A.バーデューゴ(左)とG.スタントン Jun 14, 2024(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 6月14日、ニューヨーク・ヤンキースは、8対1でボストン・レッドソックスに勝ち、シーズン50勝に一番乗りした。

 この日は、開幕から72試合目。MLB.comのブライアン・ホークは、Xにこう記している。「72試合を終えた時点で50勝以上は、球団史上10度目。これまでの9度中7度は、ワールドシリーズ優勝(直近は1998年)」

 調べてみたところ、そのとおりだった。9度ともポストシーズンに進出し、そのうちの7度は、ワールドシリーズを制している。

 ただ、72試合以下で50勝到達→ワールドシリーズ優勝は、最初の7度だ。その後の2度は、ワールドシリーズにたどり着くことすらできていない。

筆者作成
筆者作成

 今シーズンと同じく、72試合目に50勝到達の2018年は、地区優勝を逃し、ワイルドカード・ゲームでオークランド・アスレティックスに勝ったものの、次のディビジョン・シリーズは1勝3敗に終わった。67試合で50勝の2022年は、ディビジョン・シリーズが3勝2敗、リーグ・チャンピオンシップ・シリーズは0勝4敗だ。

 こういう見方もできる。地区制が始まってから、ヤンキースが72試合以下で50勝に到達したのは、1998年、2018年、2022年に続き、今シーズンが4度目。過去3度のうち、ワールドシリーズ優勝は、1998年の1度しかなく、あとの2度はワールドシリーズ進出を逃している――。

 ちなみに、2018年も2022年も、ポストシーズンでヤンキースを破ったチーム、ボストン・レッドソックスとヒューストン・アストロズが、ワールドシリーズで優勝している。

 なお、現在、ヤンキースを除く29チームのなかで、シーズン50勝に最も近いのは、フィラデルフィア・フィリーズだ。47勝22敗なので、ここからの3試合すべてに勝つと、72試合を終えた時点の勝敗は、ヤンキースと同じ50勝22敗となる。あとの28チームは、すでに23敗以上を喫している。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

宇根夏樹の最近の記事