Yahoo!ニュース

「虎に翼」出演が発表された余貴美子が様々な面で注目される理由 朝ドラ出演は4作目

木俣冬フリーライター/インタビュアー/ノベライズ職人
連続テレビ小説「虎に翼」に出演が発表された余貴美子さん 写真提供:NHK

現在、新潟編が放送されている朝ドラこと連続テレビ小説「虎に翼」(NHK)は、今後、ヒロイン寅子(伊藤沙莉)が再び、東京に戻ることになる。そこに登場する新たなキャストが7月30日に発表された。

ひとりは、寅子の娘・優未(現在、竹澤咲子さんが演じている)が成長し、毎田暖乃さんとなる。

もうひとりが余貴美子さん。寅子の同僚・星航一(岡田将生)の継母役で出演する。

制作統括・尾崎裕和チーフプロデューサーは再びの東京編と新たな出演者についてこう語る。

「新潟で『土台』作りの真っ最中の寅子ですが、裁判官としていずれ新潟から東京へ と戻ることになります。再びの東京で 、新たな 暮らしの始まる寅子に待ち受ける新しい出会いと出来事。その中心となる登場人物を毎田暖乃さん、余貴美子さんに演じていただきます。寅子だけでなく再登場するおなじみのメンバーたちと、お二人がどんなやり取りを繰り広げるのか、私もとても楽しみです!」

余さん演じる星百合は、”初代最高裁長官・星朋彦(平田満)の再婚相手で、夫亡き後も星家を守っている。穏やかな性格で、航一の子どもたちをかわいがっている。”という設定。

余さんのコメントは以下。

「ずっと楽しく観ていた『虎に翼』の現場に参加できる事、大変嬉しく思います。『半分、青い。』以来の久しぶりの”朝ドラ”です。私のお役は明治・大正・昭和を生きた女性です。当時の家族、夫婦の在り方を考えたり想像するのは楽しい作業です。吉田恵里香さんの脚本を大事に丁寧に、挑んでいきたいと思います」

余貴美子さん 写真提供:NHK
余貴美子さん 写真提供:NHK

朝ドラ4作目、これまでの役柄は

余さんはこれまで朝ドラには、「ちゅらさん」(2001年度前期)、「純と愛」(2012年度後期)、「半分、青い。」(2018年度前期)に出演している。

「ちゅらさん」は現在、昼時間に NHK総合で再放送中で、余はヒロインが東京で住む一風館の住人で、自由奔放でさばけていて、とても頼りがいのあるお姉さんキャラを演じている。

「純と愛」ではヒロインが就職するホテルの女将で、寛容な性格。脚本家になることを夢見ているという意外な面をもっている役だった。

「半分、青い。」ではヒロインの地元の病院の院長役で、ヒロインたちの良き相談相手だった。

ちょっとカリスマ性があり、包容力のある役といえば余貴美子なのである。おそらく「虎に翼」でも頼れる存在になるだろう。星の継母や星の子供(奥さんは亡くなっている)が登場するということはーー。寅子の今後にも関係ありそうで、注目の存在である。

7人も重なっている

余貴美子さんは現在、他局の連ドラ「新宿野戦病院」(フジテレビ系)に出演している。

このドラマ、「虎に翼」とひじょうに因縁が感じられるもので、出演者が、仲野太賀さん、岡部たかしさん、平岩紙さん、塚地武雅さん、趙珉和さん、ユン・ソンモさんと「虎に翼」の出演者が大勢出演しているのだが、余さんは「新宿野戦病院」から「虎に翼」に出演と逆パターンとなる。

キャストが同時期にかぶることは珍しくないが、7人もかぶることはなかなかない。これはドラマ好きにはわくわくするかぶりである。

朝ドラ「あまちゃん」を手掛けた宮藤官九郎さんが脚本を書いている「新宿野戦病院」では余さんは、小池栄子さん演じるヒロインの母で、ワケありの過去を持ち、あるときは歌手、あるときは美容系インフルエンサーとアクティブでバイタリティのある人物を演じている。ビジュアルもいつも凝っていて、余さんが出ると場が華やぐ。「虎に翼」では外観も内面もどんな顔を見せてくれるか登場を楽しみに待ちたい。いずれにしても、余貴美子さんの出るドラマは面白くなることは確実である。

2024年度前期 連続テレビ小説「虎に翼」
【作】 吉田恵里香
【音楽】 森優太
【主題歌】 米津玄師「さよーならまたいつか!」
【語り】 尾野真千子
【キャスト】 伊藤沙莉 岡田将生 森田望智 土居志央梨 桜井ユキ 平岩紙 戸塚純貴
毎田暖乃 余貴美子 高橋克実 沢村一樹 滝藤賢一 松山ケンイチ
【法律考証】 村上一博
【制作統括】 尾崎裕和
【プロデューサー】 石澤かおる 舟橋哲男 徳田祥子
【取材】 清永聡
【演出】 梛川善郎 安藤大佑 橋本万葉 伊集院悠 相澤一樹 酒井悠
【放送予定】 総合 (月~土) 午前8時 [再]午後0時45分 ※土曜日は1週間を振り返ります。BS BSP4K (月~金) 午前7時30分

フリーライター/インタビュアー/ノベライズ職人

角川書店(現KADOKAWA)で書籍編集、TBSドラマのウェブディレクター、映画や演劇のパンフレット編集などの経験を生かし、ドラマ、映画、演劇、アニメ、漫画など文化、芸術、娯楽に関する原稿、ノベライズなどを手がける。日本ペンクラブ会員。 著書『ネットと朝ドラ』『みんなの朝ドラ』『ケイゾク、SPEC、カイドク』『挑戦者たち トップアクターズ・ルポルタージュ』、ノベライズ『連続テレビ小説 なつぞら』『小説嵐電』『ちょっと思い出しただけ』『大河ドラマ どうする家康』ほか、『堤幸彦  堤っ』『庵野秀明のフタリシバイ』『蜷川幸雄 身体的物語論』の企画構成、『宮村優子 アスカライソジ」構成などがある

木俣冬の最近の記事