冷たいと言われるパリの人が親切だった話(1)
色んな人の紀行文や旅行記、ブログなどで度々目にする「パリの人が冷たかった」というエピソード…。たしかに路上で言い争っている人や、メトロの無賃乗車でモメている人、スリをしようとしている人は旅行で訪れる度に見かけましたし、悲しいことに差別をする人もいるのでしょうが…それはパリに限ったことではないですし、「当然、親切な人だってたくさんいる」と感じています。
というわけで実体験を描いた「パリの人が親切だった話(1)」 ご覧ください。
日本では「お客様は神様」(本来の意味とは異なった使い方をされていますが)精神で接客をされることが大半です。けれどもフランスや多くのヨーロッパのお店では「お金を払う立場のお客が偉い」という考え方ではなく、「店員とお客は対等な立場」というのが一般的です。
店員さんに「いらっしゃいませ」と声かけをされてもスッと黙って入店し、品物に好きに触れ、またスッと退店する…というのは日本でよく目にする光景ですよね。一方フランスでは「対等」なので、入店時にはお客さんも「こんにちは」と挨拶をするのが普通です。どちらが良い・悪いではなく、「そういうもの」として根付いています。
「店員さんが不愛想だった」という旅行者の方の中には、もしかするとこの文化をしらなかったので「挨拶しなかった」「私はお客様よ、みたいな態度をとった」…そのため店員さんが不愛想だった、ということもあるのかもしれません(もちろん単に接客が面倒だったという店員さんもいると思います!)。
一方的にネガティブな意味合いでの「○○人はこう!」というステレオタイプには、あまり捉われたくないものですね。文化を学んだり人々と触れ合う中で、自分で感じ取って解釈してゆけたらいいなと思います。
…ただ、フランス人の友人たち(パリ在住の子を含む)にパリで親切にしてもらった話をすると「それどこのパリ?」「そんなに優しいわけないと思う」とツッコミを入れられたのですが…。
パリの人が親切だった話(2)へ続きます。
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野宮レナ / 漫画家・イラストレーター
現在ダ・ヴィンチwebにて「元パティシエのヒモが作るいたわりごはん」連載中