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本当は怖い適応障害で表れやすいメンタルヘルス不調の『サイン』とは?

精神科医しょう精神科医/メンタルドクター

こんにちは、精神科医しょうです。

人生の一歩を踏み出す時は、心理面や身体面に良くも悪くも影響をもたらします。

たとえば進学や就職、結婚、引っ越しなどのライフイベントは、大きなストレスになることがあります。

そして環境変化から生じるストレスに上手く適応できなかった結果、起こるのが「適応障害」です。

「環境に早く慣れなければ」と頭では理解していても、感情は「馴染めない」「逃げたい」という状態におちいってしまうことがあります。

この相反する状態が続くと、抑うつ状態や不安感情が表れるなど精神が安定せず、体にも不調が生じ始めます。

今回は、日常生活の中にあるストレスが原因となりやすい「適応障害」について解説をしていきたいと思います。

適応障害になりやすい人の特徴と症状、診断基準とは?

適応障害になりやすい人の特徴として、一般的に几帳面で真面目、ストレスへの適応能力が低い人と言われています。

これはどの病にも通じる特徴だと言えるでしょう。

なお、適応障害を発症する人に男女差はなく、どの年齢でもなる可能性があるとされています。

適応障害は対象となるストレスがあり、3カ月以内に何らかの症状が表れ、日常生活に支障をきたしている場合に診断されます。

側でみていて分かりやすい症状としては、以下のようなものがあります。

・引きこもる

人との関わりを持たなくなり、口数が少なくなることがあります。

・攻撃的な態度を取るようになる

普段の性格では考えられないような暴言を吐いたり、暴力をふるったりなどがみられることがあります。

・抑うつ症状

イライラし、不安に耐えられなくなり大声を発したりすることがあります。

急に泣き出したり、周囲にあたり散らしたりするなど感情の起伏が激しくなることもあります。

職場や学校でみられやすいメンタルヘルス不調サインとは?

職場の同僚や学校の友人の言動が少し変わった?おかしい?と気が付いたら、もしかしたら、その人は心の健康を損ねている可能性があります。

分かりやすい心の不調サインをいくつかあげてみます。

・無断欠勤がみられるようになる

・病気休暇が多くなる

・月曜日または金曜日に欠勤が多い

・遅刻が多くみられ、早退が多い

・事故やトラブルを繰り返している

・納期が守れない

・ミスが増える

・元気がなく、口数が減る

・落ち着きがなく、離席が多い

・居眠りが多く、ぼんやりすることがある

これらの言動が表れている人は、大きな悩みやつらさを抱えて、職場や学校に来ているのかもしれません。

一方的に「ダメな人だ」「怠けているだけだ」などと、決めつけたりせずまずは、寄り添う気持ちを持つようにしましょう。

また、「体調は大丈夫?」「みんな心配しているよ」などの優しい声かけや助けが必要な段階かもしれません。

その場合は、周囲の協力体制ももちろん大切ですが、心の病気にかかっているかどうかは安易に決めつけず、困った時には学校なら保健室の先生に、職場であれば産業医や保健師など産業保健スタッフに相談するようすすめてみることも一つの選択肢かもしれません。

ストレスチェック制度を利用しましょう

日常生活や職場で自分がどれくらいストレスを感じているかについて把握する方法として、職場で実施されるストレスチェック制度を活用することをおススメします。

ストレスチェック制度とは、働く人を対象にした心理的負担を把握するための検査です。

検査結果に基づき、医師による面談指導を受けることができます。

常時50人以上の従業員を雇用する職場では実施が義務付けられており、対象者はパートや派遣社員も含まれています。

実施は年1回で、医師の面談を希望したことによる労働者への不利益な扱いは法律で禁止されています。

ストレスチェックの調査票は「仕事のストレス要因」「心身のストレス反応」「周囲のサポート」の3領域でチェック項目があり、検査結果を集計・分析し職場環境改善につなげることを目的としています。

ストレスチェックの結果は約1カ月程度で返ってきます。

表やグラフで分かりやすく表示されているため、自身の傾向やストレスを一目で把握することができるでしょう。

メンタルヘルス不調を感じたら

頑張れば頑張るだけ、自分を追い込んでしまう人がいます。

「早く慣れないと!」「仕事を覚えないと能力が低いと思われる」「周りと協調しなければ」という風に焦りや不安、恐怖を感じることはメンタルヘルスに悪影響を及ぼします。

また、ネガティブな感情を抱くことにより、些細なミスや普段しないような大きな失敗をしてしまうこともあります。

そのことが心理的に大きなストレスを生み、頭痛や吐き気などの身体的な不調にもつながる恐れも出てきます。

もし自分が精神的に追い込まれていると感じた場合は、ストレス要因から一旦遠ざかり、出来る限り好きなことや楽しいこと、リラックスできることをしてみましょう。

まとめ

今回は適応障害を始めとするメンタルヘルス不調について解説してみました。

不安や恐怖、恐れなどによる心の不調を感じた時は「今・ここ」に集中してみることもおススメです。

自分や周囲の不調サインをみつけたら、どうすれば良いか?今回紹介した内容を参考にしてみてくださいね。

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精神科医/メンタルドクター

HSP気質とメンタルヘルスについて発信している精神科医。精神科外来で診療を行い大学で研究も行っている。instagramのフォロワー7万人以上。著書:頑張り屋さんのための心が晴れる本(KADOKAWA)、新刊:精神科医が教える笑顔うつから抜け出す方法(2023年8月16日発売)。私のブログのテーマは、「他人軸でなく自分軸で気楽に生きる」です。あなたはこんな悩みをお持ちではありませんか?「他人の顔色ばかりみてクタクタ」「自分の意思で生きられない」「いつも後悔ばかりでグルグル一人反省会」こんな他人軸の悩みでクタクタなあなたは、上記の私の名前をクリックして公式ブログから自分軸を目指しましょう♪

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