「JR東の鉄道運転シミュレーターがSteamで売り上げ全世界トップ」は誤り。実際は国内1位
JR東日本が9月20日にSteamで早期リリースした『JR東日本トレインシミュレータ(JR EAST Train Simulator)』が売り上げで全世界トップになったとの情報が流れていますが、これは誤りです。
実際には世界1位ではなく、国内1位にとどまります。
開発会社の代表取締役が勘違い。それをメディアが拡散
『JR東日本トレインシミュレータ(JR EAST Train Simulator)』は、多数の鉄道運転シミュレーターを開発している株式会社音楽館と、JR東日本が協力して開発したシミュレーションゲームです。
実際にJR東日本の運転士が訓練で使用している業務用シミュレーターを再現しているとのことで、日本国内の鉄道ファンが購入したのかSteamの日本国内売り上げで1位となりました。
しかし、これを音楽館の向谷実代表取締役が「世界売り上げ1位」と勘違いしてTwitterに投稿(後に「Steam」の文字が間違っていたため削除・修正して再投稿)。
筆者は投稿された段階で指摘していたのですが、残念ながら訂正されることはなく、今度はそれをITmediaが「JR東の鉄道運転シミュレーター発売、「Steam」の売上トップに」と誤った情報を補足することなく拡散する事態となりました。
Steamの売り上げトップは分かりにくい?
どうして、こんな勘違いが起きてしまったのでしょうか?
理由としては、Steamの売り上げトップページにそのような説明がなく、分かりづらいことだと考えられます。
トップページを見るとどう見ても『JR東日本トレインシミュレータ(JR EAST Train Simulator)』が1位ですが、じつはここに表示されているのは日本の国内売り上げです。
全世界売り上げを見る場合は、右上にある「全世界売上上位」をクリックしなければならず、こちらのページを見ることでようやく全世界の売り上げを確認できます。
ちなみに記事執筆時点での世界売り上げ1位は『Call of Duty: Modern Warfare II』となっています。
もちろん国内1位の売り上げは喜ばしいことですが、今回はそれをメディアが補足なしに拡散する状況となっていたため解説する記事を書きました。