きょう東京駅110周年 なかなか気づかない「隠れ名所」を旅専門家が教える
宿泊経験500泊。関東圏の穴場ずらし旅の愛好家、とらべるじゃーな!です。
東京駅は1914年(大正3年)の12月20日に開業。開業110周年を迎えました。
改めて東京駅に関心を寄せる方も多そうですが、今回は訪ねる人の少ない穴場の名所をお伝えします。
その1 大正時代から伝わる覆輪目地(ふくりんめじ)
遠目にも重厚感を感じる、東京駅の駅舎(皇居寄り、丸の内側)。
実はレンガの目地にも工夫があり、高度な技術を要する覆輪目地(ふくりんめじ)という技術が用いられています。2012年に完了した保存・復原工事でも、覆輪目地は継承されました。
新旧の覆輪目地の両方が見られる、ほぼ誰も知らない貴重な場所が、東京ステーションホテル付近の外壁。
左が大正時代のままの覆輪目地、右が現代の職人さんが再現した覆輪目地です。
優れた覆輪目地には影ができ、時間帯、天候、季節によって表情を変えてゆきます。
その2 近代の発展を思い起こさせる 行って来い階段
近代(明治以降)の発展の痕跡が残るのが、東京駅から地下鉄・大手町駅(皇居側)へ向かう通路。
1回降りてまた登る、ただ登り降りするだけの不思議な階段があります。
ブラタモリでも紹介された、通称「行って来い階段」です。
大手町駅へ向かう地下通路ですが、丸の内線の駅が先行して開業(1956年、昭和31年)していたため、くぐって避ける形式になりました。
直下には東西線の大手町駅ホームがあり、天井が出っ張っているのが分かります。
現在は改修されて、新しくなっています。
東京駅の丸の内側(皇居側)は、江戸城至近であり、もともとは大名屋敷が立ち並ぶエリアでした。明治維新後、一時は陸軍が使用していましたが、移転後には荒地に。
三菱の建物(三菱一号館)が立つと活気を取り戻し、大企業のオフィスが立ち並び、地下街や地下通路が広がってゆきました。
三菱一号館には美術館のほか、重厚な建築美が感じられる吹き抜けのカフェがあり、長期休業を経て今年11月23日に営業を再開。ランチやディナーも楽しめます。
その3 おしゃれでない、レトロな手土産
現在の東京駅は、出張・通勤客から旅行客まで1日40万人もの乗車人数があり(公式資料)、駅ナカには手土産や飲食店が充実しています。
手土産としてのお菓子は、今風のおしゃれで小さなものが人気を集めていますが、目立たないものの長く愛されているのが、大角玉屋(おおすみたまや、大正元年創業)のトラさんのバナナ。
バナナを、クリームやスポンジケーキではなく、白あん(インゲン豆)とどら焼きの皮で包んだ変わり種。
白あんは、良い意味で香料が効いた懐かしい味で、皮はほどよい硬さが心地よく、和菓子と洋菓子のいいとこどりです。
1個310円ですが、ずっしり重く、1人では多過ぎるほどのボリュームがあり、隠れたおすすめのお菓子です。5個入りなど箱詰めもあります。
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