インド、百年来の大雨で自動車産業に影響
インド南東部のタミルナド州が、100年以来の大雨に見舞われています。
12月1日と2日の2日で月間平均降水量の2倍に当たる300ミリの雨が降りました。さらに、11月には1、200ミリと、11月の月間降水量の3倍もの雨が降ったのです。洪水等により188人が死亡したと報告されています。
記録的な雨の原因
この大雨の理由は、ベンガル湾で次々と発生する低気圧です。11月中旬にはディプレッションと呼ばれる熱帯擾乱が発生し、非常にゆっくりとしたペースでインド南部を通過しました。9時間で450ミリも雨が降ったところもあり、この嵐だけで70人もの死者が出ました。
その翌週も、そして今週も低気圧が発生しており、ほぼ停滞していることから、雨が連日のように続いているのです。
洪水の現状
タミルナド州の州都チェンナイでは、水位が人の腰、所によっては首まで達するほどで、町のいたるところで浸水が発生しています。チェンナイ空港の滑走路も水に浸っているために、空の便は相次いで運行を取りやめています。現地の情報によると、'''日曜(6日)まで空港は閉鎖'''されるとのことです。
また、学校も2週間以上休校となっています。このため、期末試験も延期のようです。
自動車産業にも大きな痛手
チェンナイは、インド第4の都市。別名を「インドのデトロイト」と言います。チェンナイは、インドで最も自動車メーカーの工場が多いのです。
例えば、フォード、ダイムラー、ヒュンダイ、日産=ルノーなどが工場を持っています。
洪水で作業員が工場に来られないことや大雨の危険などから、こうした工場では軒並み操業停止となっているようです。インド全体で見ると、11月の自動車生産は上昇していましたが、今回の洪水は後に大きな痛手となるかもしれません。
雨はいつまで続くのか
少なくとも土曜日までは雨が続く見込みです。しかし来週からは雨が終わり、それをもって雨季から乾季へと移行する可能性が高いです。
ちなみに、2011年タイで深刻な洪水が発生した時は、約450人が死亡、さらに4000億円にも及ぶ経済損失が発生しましたが、その時は洪水が3ヶ月も続いていました。
ところで、災害は人々の不安を必要以上に煽るもので、災害現場ではこんな噂が流れています。
「ワニが逃げた!」
しかし、ワニの管理者はそんな事実はないと、ご立腹のようです。