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フィリップスのDFAはここ10ヵ月に3度目。過去2度はそこからどうなった!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
ブレット・フィリップス Apr 12, 2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 5月20日、ロサンゼルス・エンジェルスは、一塁手のジャレッド・ウォルシュを故障者リストから復帰させ、入れ替わりに、外野手のブレット・フィリップスをDFAとした。

 フィリップスがDFAとされるのは、ここ10ヵ月に3度目だ。昨年8月に2度、それぞれ、タンパベイ・レイズとボルティモア・オリオールズの40人ロースターから外された。

 8月1日にレイズからDFAとされた時は、翌日、金銭と交換にオリオールズへ移籍した。そこから3週間経たず、オリオールズにDFAとされた際は、トレードだけでなく、ウェーバー公示中に獲得の名乗りを上げる球団も現れなかった。フィリップスは、降格を受け入れ、AAAでプレーした。そして、シーズン終了後にFAとなることを選択。年明け早々に、エンジェルスと1年120万ドルの契約を交わした。

 今回、フィリップスを手に入れようとする球団が出てくる可能性は、低くない気がする。ちなみに、ボストン・グローブのアレックス・スパイアーによると、昨年の夏にレイズからDFAとされた直後には、ボストン・レッドソックスも興味を示していたという。

 一方、獲得に動く球団がなかった場合、フィリップスが退団と降格のどちらを選ぶのかは読みにくい。

 フィリップスのサービス・タイムは、3年以上だが5年未満なので、退団を選択すると、契約の残り分はもらえない。

 ただ、エンジェルスの外野には、マイク・トラウトハンター・レンフローテイラー・ウォードの3人がいる上、5月12日に昇格したミッキー・モニアックは、6試合で19打数9安打、2本塁打、1三塁打、1二塁打に2盗塁を記録し、守ってはホームラン・キャッチを披露している。

 モニアックは、7年前のドラフト全体1位だ。その評価に値する資質を発揮し始めたとすると、フィリップスがエンジェルスに残っても、故障者が出ない限り、再昇格はできないかもしれない。

 なお、モニアックの活躍は、フィリップスのDFAを後押しした要素の一つではないかと思われる。フィリップスと違い、モニアックはマイナーリーグ・オプションが残っている。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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