電子決済連携で省スペースでも開業できる無人コンビニ
中国発の自転車シェアサービス、モバイクが日本に上陸しました。日本においても様々な企業が自転車シェアサービスを展開しているが、2016年にサービスを開始し、中国を中心に100都市以上で展開、登録利用者数1億人という巨大なスタートアップが持つインパクトは大きいですよね。
まず、乗り捨てが自由というビジネスモデルに注目。現地在住の方にお話を聞くと、回収コストを下げるために、遠方地に乗り捨てられた自転車を市街地まで乗る場合は利用料金がタダになることがあるそうです。
そしてスマートフォンと電子決済サービスが普及した土地ならではの利便性です。空き自転車はアプリですぐに探せるし、利用するには自転車に貼られたQRコードをアプリで読み取るだけ。利用料金は電子決済でスマート。
利用するには身分証やパスポート、中国の銀行口座と紐付いた電子決済アカウントが必要で、もし悪意ある行動をとった場合は自分の信用に影響が出る可能性があることが前提となっているみたいですね。
電子決済アカウントで入店・買い物ができる無人コンビニ
モバイクと同様に、スマートフォンと電子決済サービス前提の無人コンビニ「Bingo Box」が中国・上海でオープンしました。フランス資本のハイパーマーケット・欧尚(オーシャン)の駐車場にあり、敷地面積はコンテナサイズ。飲料品や菓子類、カップラーメンやポンチョなど、マス向けのプロダクト数百種を扱っています。
利用者にお話をきくと、かなり狭い、とのこと。では利用の流れを見ていきましょう。
基本的に入り口は鍵でロックされています。また事前に「Bingo Box」のユーザー登録が必要です。
アプリで入り口脇にあるQRコードを読み取り、ユーザー認証を行うと鍵が解除されます。物理的に、サービスにログインする感覚が。
購入商品を読み取り台に置くと、支払金額が計算されます。
画面に表示されたQRコードを読み取り、支付宝(アリペイ)や微信支付(ウィーチャットペイメント)で精算します。
商品にはタグがつけられており、未決済の商品を持って外に出ようとすると警報が鳴り響くとか。
なお賞味期限などの確認は、掃除や商品入荷時に行われているとのことです。
新たな小売り店舗のありかたを予想させる
店舗内で袋を開けて中身を取り出すといった事態には、店内カメラで検出できるようにしているとのこと。オープンから時間がたっておらず、見学目的なのでしょうか、「Bingo Box」会員以外の人が一緒に入っていくシーンを多々見かけました。セキュリティ面で十全とはいえないものの、無人コンビニというシステムの将来性は高い、と思われます。
例えばマンション街の入り口などにある、高層オフィスビルの5階おきにこういったスペースがある、と、ユーザーにとってのメリットは大きいでしょう。コンビニ経営側にとっても、アルバイト不足に悩む地域の運営状況が改善するでしょう。
ユニッククレーンつきのトラックで運べるメリットも大きいでしょう。電源とインターネット回線のインフラが整えられる場所で開業できますし、利益が見込めない場所からはすぐに撤退できます。
Amazonが展開しているAmazon Go、静脈認証を行う韓国のセブンイレブンなど、世界を見渡すと無人の小売り店舗が少しずつ増えてきています。自動販売機が多く普及している日本ですぐ導入されるシステムではないかもしれませんが、ドリンク以外もサッと買える環境ができるならば、利用したいという人は多いでしょうね。