歴代単独2位、169局目! 4月25日、羽生善治九段-佐藤康光九段、王座戦挑決T開幕戦で対局
4月25日。東京・将棋会館において第72期王座戦・挑戦者決定トーナメント1回戦、羽生善治九段(53歳)-佐藤康光九段(54歳)戦がおこなわれます。
藤井聡太王座(21歳)への挑戦権を争うトーナメントの開幕にふさわしい、ビッグマッチが実現したといえるでしょう。
1988年の初手合以来、数多くの名勝負を戦ってきた両者。これまでの通算成績は羽生九段113勝、佐藤九段55勝です。
対局数168局は羽生九段-谷川浩司九段(62歳)戦と並んで、現在歴代2位タイ。本局で通算169局目となり、単独2位に浮上します。
羽生-谷川戦は、直近では2019年5月(王位戦リーグ、羽生勝ち)が最後で、以後は対局数が変わっていません。そのあとで羽生-佐藤戦の対局数が追いつき、追い越したということになります。
谷川九段は2021年に上梓した『藤井聡太論 将棋の未来』で次のように語っています。
改めて言うまでもないことでしょうが、羽生-谷川戦の対局数が歴代2位から3位になったとしても、これまでの名勝負の輝きは、なんら色褪せることはありません。
対局数の逆転については、羽生九段、佐藤九段が関東、谷川九段が関西の所属という事情も関係しているでしょう。所属が東西で分かれていると、予選の段階で当たりづらくなります。
王座戦での羽生無双
羽生九段は王座19連覇、通算では24期獲得という、空前の実績を残しています。
羽生王座-谷川挑戦者、羽生王座-佐藤挑戦者の五番勝負は3回ずつ実現し、いずれも羽生王座防衛となっています。
王座戦第3局は例年、羽生九段の誕生日である9月27日あたりにおこなわれています。羽生九段が3連勝して誕生日に防衛を決める、ということもありました。
2006年の王座戦第3局▲佐藤挑戦者-△羽生王座戦も9月27日におこなわれました。
結果は羽生王座が勝って、3連勝での誕生日防衛となりました。
下図はそのときの序盤の局面です。
一見して後手の陣形は、天衣無縫の佐藤流、という感がありますが、指しているのは羽生王座。両者ともに、これまで自在の指し回しでファンを魅了してきました。
そして今期王座戦
羽生九段は前期の準決勝で藤井七冠(当時)に敗れました。
藤井七冠は王座挑戦、獲得を果たし、史上初の八冠制覇を達成しています。
前期ベスト4の羽生九段は、今期はシード。挑戦者決定トーナメントからの登場となります。
佐藤康光九段は二次予選で青嶋未来六段、佐藤天彦九段に勝ちました。
この表を見ても、レジェンド健在という印象があります。
羽生善治九段と佐藤康光九段。169回目の対戦では、どのような将棋が見られるのでしょうか。