Yahoo!ニュース

藤井聡太竜王、防衛4連覇か? 佐々木勇気八段、追いついてフルセットか? 12月11日から竜王戦第6局

松本博文将棋ライター
(記事中の画像作成:筆者)

 2024年12月11日・12日。鹿児島県指宿市・指宿白水館において、第37期竜王戦七番勝負第6局▲佐々木勇気八段(30歳)-△藤井聡太竜王(22歳)戦がおこなわれます。棋譜は公式ページをご覧ください。


 七番勝負はここまで藤井竜王3勝、佐々木八段2勝。すべて先手番の側が勝ってきました。第6局は佐々木八段が先手です。

 藤井竜王が勝てば竜王位防衛、4連覇が決まります。


 佐々木八段が勝てば両者ともに3勝ずつ。竜王位のゆくえは最終第7局(12月18日・19日、山梨県甲府市・常磐ホテル)の結果次第となります。

 藤井竜王は過去13回の七番勝負をすべて制してきました。3敗目を喫したことがなく、第7局を戦ったことはありません。

 両者のこれまでの通算対戦成績は、藤井7勝、佐々木4勝です。

竜王戦の定宿・指宿白水館


 指宿白水館は近年、竜王戦七番勝負の対局がよくおこなわれています。

 2017年第5局では羽生善治挑戦者が渡辺明竜王(肩書はいずれも当時)に勝利。4勝1敗で竜王復位を決め、通算7期で永世竜王の資格を得て「永世七冠」を達成しています。

 翌2018年の第6局は、羽生竜王のタイトル通算100期がかかった一局でした。このとき、佐々木現八段が砂むし温泉に入っているところが話題となりました。


 そして今年、佐々木現八段は指宿観光大使に任命されています。


最近の藤井竜王


 藤井竜王の今年度成績は25勝8敗(勝率0.758)です。


 12月3日に放映されたNHK杯3回戦(対局日未発表)では澤田真吾七段に勝っていました。


 公式戦以外にもスケジュールがぎっしりと埋まっている藤井七冠。12月8日には阪神甲子園球場で羽生九段と記念対局をおこなっています。


 12月9日には王座就位式がありました。


最近の佐々木八段


 佐々木勇気八段の今年度成績は23勝12敗(勝率0.657)です。


 12月6日におこなわれたA級順位戦では増田康宏八段に敗れています。

 12月9日におこなわれた王位戦予選では佐藤康光九段に勝っています。


 12月10日夜には銀河戦決勝トーナメント2回戦・佐々木八段-梶浦宏孝七段戦が放映されます。(対局日は8月16日)


 佐々木八段勝ちならば、こちらでも藤井竜王-佐々木八段戦が実現します。


将棋ライター

フリーの将棋ライター、中継記者。1973年生まれ。東大将棋部出身で、在学中より将棋書籍の編集に従事。東大法学部卒業後、名人戦棋譜速報の立ち上げに尽力。「青葉」の名で中継記者を務め、日本将棋連盟、日本女子プロ将棋協会(LPSA)などのネット中継に携わる。著書に『ルポ 電王戦』(NHK出版新書)、『ドキュメント コンピュータ将棋』(角川新書)、『棋士とAIはどう戦ってきたか』(洋泉社新書)、『天才 藤井聡太』(文藝春秋)、『藤井聡太 天才はいかに生まれたか』(NHK出版新書)、『藤井聡太はAIに勝てるか?』(光文社新書)、『棋承転結』(朝日新聞出版)など。

松本博文の最近の記事