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ミラン独走、インテル不変、ユーヴェ浮上…ゴールマウスに嫌われなければ、セリエA順位変動?

中村大晃カルチョ・ライター
2020年12月19日パルマ戦でのC・ロナウド。今季ゴールマウスに2回嫌われる(写真:ロイター/アフロ)

106回の落胆があった。

サッカーは、ゴールにボールを入れるスポーツだ。ゴールマウスがないサッカーはあり得ない。だが、そのゴールマウスが得点を阻むことも少なくない。競技者でも、サポーターでも、シュートがポストやクロスバーに嫌われて肩を落とした経験があるだろう。

では、ゴールマウスに嫌われたシュートが、もしもゴールになっていたら?

イタリア『ガゼッタ・デッロ・スポルト』紙電子版は1月5日、今シーズンのセリエAでゴールマウスに阻まれたシュートが得点になっていた場合、順位表がどう変化するかを報じた。

同紙によると、今季のセリエAで最もゴールマウスに嫌われたのは12回のミランだ。11回のエラス・ヴェローナ、9回のスペツィア、ウディネーゼと続く。

1月5日『ガゼッタ・デッロ・スポルト』電子版参照、筆者作成
1月5日『ガゼッタ・デッロ・スポルト』電子版参照、筆者作成

そのほかは、ローマ(8回)、トリノ、ナポリ(6回)、ユヴェントス、ボローニャ、インテル、フィオレンティーナ(5回)、ベネヴェント(4回)、サッスオーロ、サンプドリア、クロトーネ、カリアリ、アタランタ(3回)、ラツィオ、パルマ(2回)、ジェノア(1回)だった。

これらがすべて得点となっていた場合、順位はどう変動するのか。

ミラノ勢が首位と2位を占めることは変わらなかった。ただ、インテルの勝ち点が変わらない一方で、ミランは4ポイント増える計算。勝ち点差はもっと開いていたことになる。

王者ユヴェントスは、ミランを上回る5ポイント増え、3位に浮上する。ローマとナポリは勝ち点が増えるにもかかわらず、順位が落ちた。6位と今季躍進中のサッスオーロは、マイナス5ポイントで8位に転落する。

1月5日『ガゼッタ・デッロ・スポルト』電子版参照、筆者作成
1月5日『ガゼッタ・デッロ・スポルト』電子版参照、筆者作成

下位では、19位ジェノアと最下位クロトーネの順位に変動なし。残留ラインとの勝ち点差も開く。実際は16位のパルマが降格圏に沈み、実際は18位のスペツィアはプラス7ポイントで一気に9位にまで浮上するかたちだ。逆に7ポイントを失うことになるのが、実際には9位のラツィオ。降格圏に2ポイント差の15位まで順位が落ちる。

1月5日『ガゼッタ・デッロ・スポルト』電子版参照、筆者作成
1月5日『ガゼッタ・デッロ・スポルト』電子版参照、筆者作成

ユヴェントス、ナポリ、アタランタ、ウディネーゼが1試合未消化なのは考慮しなければならない。そしてなにより、もちろん、これはひとつの“お遊び”でしかない。

ただ、同じようにゴールマウスに嫌われた回数が上位でも、ミランやスペツィアの仮想勝ち点が大きく増えるのに対し、ヴェローナとウディネーゼは1ポイントのみなど、興味深い点もある。

運だけで成功することはない。だが、成功するのに少しの運が必要なこともある。わずかの差で運命が分かれるゴールマウスの影響は、シーズン終了時の実際の順位にも響くだろうか。

カルチョ・ライター

東京都出身。2004年に渡伊、翌年からミランとインテルの本拠地サン・シーロで全試合取材。06年のカルチョーポリ・W杯優勝などを経て、08年に帰国。約10年にわたり、『GOAL』の日本での礎を築く。『ワールドサッカーダイジェスト』などに寄稿。現在は大阪在住。

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