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温泉マニアも一目置く「本格的な源泉かけ流しが楽しめるスーパー銭湯」3選

高橋一喜温泉ライター/編集者

筆者は現在札幌在住だが、東京に住んでいたときは、日帰りのソロ温泉旅によく出かけていた。

東京近郊で、日帰りでさくっと温泉に入ろうと思えば、都市型の温泉施設「スーパー銭湯」が有力な選択肢となる。

泉質にこだわりがある筆者は数年前まで、この手のスーパー銭湯では満足できないという立場だった。これらの施設では、温泉の質が二の次になりがちだからだ。

しかし昨今、「スーパー銭湯=湯の質が悪い」という固定観念を払拭するような温泉施設が増えてきている。小さいながらも源泉かけ流しの湯船をつくるなど、「本物の温泉」を楽しんでもらおうという施設側の意思が続々と形になっているように感じている。

市街地に湧く良質のモール泉

その筆頭が埼玉県熊谷市にある「花湯スパリゾート」である。都心からは電車で約90分。さらに送迎バスに揺られること約15分。都心からアクセスするには少々時間を要すが、非日常感を得るにはちょうどいい距離だ。

最大の魅力は、広大な敷地に点在する露天風呂である。源泉かけ流しの檜風呂には、わずかに黄色をおびた透明湯がかけ流し。体感の泉温は38度くらいだろうか。かなりぬるめである。

わずかに硫化水素の香りも漂い、肌触りもやさしい。地中の植物由来成分が溶け込んだモール泉の特徴を備えている本格派だ。「まさか埼玉の市街地で、このレベルの湯に出会えるとは!」と感嘆したレベルの湯である。

ぬるめの湯につかりながら広々とした庭園をぼんやり眺めていると、自然と心もリラックスしてくる。大型の日帰り施設にしては、静かな環境であるのもポイント。約7200坪、東京ドームの約半分のスケールである広大な敷地のメリットだろう。

また、休憩スペースは、岩盤浴やマンガ(1万5000冊)、リクライニングチェア、PCスペース、電動マッサージ機(無料)など充実している。

食事処も深谷ネギなど地元食材をウリにするなど、メニューがバラエティーに富んでいて味もいい。地酒が置いてあるのも酒飲みにはうれしい。

上質の温泉につかって、施設内でゆっくり過ごし、また湯につかる。丸一日いても、まったく飽きることがない。

参考:花湯スパリゾート(外部リンク)

日帰りで海の絶景温泉へ

海の絶景を楽しみたいなら、横須賀市の横須賀温泉「湯楽の里」。

湯楽の里
湯楽の里

東京湾を一望できる展望露天風呂(源泉かけ流し)が絶景である。心がもやもやしているときは、海を見ながら入浴すればスカッと爽快な気分になれるし、旅の雰囲気も味わえる。

参考:湯楽の里(外部リンク)

泉質にこだわるなら、さいたま市にある見沼天然温泉「小春日和」がおすすめ。

小春日和
小春日和

約38度のぬるめの源泉がかけ流しにされている。通常のスーパー銭湯はぬるい湯は万人受けしないため加温してしまうが、自信をもって茶褐色に濁ったぬる湯の源泉を提供している。ソロ温泉と相性のよいぬる湯を存分に楽しめるのはうれしい。

参考:小春日和(外部リンク)

「温泉旅行に出かけるは余裕がない」という人は、まずは身近なスーパー銭湯に出かけてみてはいかがだろうか。日帰りソロ温泉でひとりの時間を満喫するのも一興だ。

高橋一喜|温泉ライター
386日かけて日本一周3016湯を踏破/これまでの温泉入湯数3800超/著書に『日本一周3016湯』『絶景温泉100』(幻冬舎)、『ソロ温泉』(インプレス)/温泉ワーケーションを実行中/2021年1月東京から札幌へ移住/InstagramnoteTwitterなどで温泉情報を発信

温泉ライター/編集者

温泉好きが高じて、会社を辞めて日本一周3016湯をめぐる旅を敢行。これまで入浴した温泉は3800超。ぬる湯とモール泉をこよなく愛する。気軽なひとり温泉旅(ソロ温泉)と温泉地でのワーケーションを好む。著書に『日本一周3016湯』『絶景温泉100』(幻冬舎)、『ソロ温泉』(インプレス)などがある。『マツコの知らない世界』(紅葉温泉の世界)のほか、『有吉ゼミ』『ヒルナンデス!』『マツコ&有吉かりそめ天国』『ミヤネ屋』などメディア出演多数。2021年に東京から札幌に移住。

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