村上隆とファレルがホスト ストリート&スニーカーブームを占う重大イベント「コンプレックスコン」開催
トレンドを左右するファッション業界のビッグイベントとしてよく知られているのは、「パリコレ」を筆頭とした世界主要都市で開かれるファッションウィークだ。「プルミエールビジョン」(パリ)や「ミラノウニカ」などのテキスタイル・素材展、ミラノで開かれる国際靴見本市「ミカム」と同時開催される国際革小物見本市「ミペル」、ラスベガスで行われる世界最大展示会「MAGIC」(マジック)などを訪れる業界人やメディアも多い。
そんな中、いま最も注目度が高まっているのが、「ComplexCon」(コンプレックスコン)だ。2016年に始まり、3回目を迎えるこのイベントは、まさに今週末(11月3、4日)、カリフォルニアのロングビーチにあるコンベンション・センターで開催される。ファッション、音楽、スポーツ、アート、フード、教育、エンターテインメントなどポップカルチャー系のコンテンツを融合。ファッションの一大潮流となっているストリート&スニーカー・カルチャーを知るうえで欠かせないイベント、かつ、ストリートカルチャーの祭典として、メンズ関係者やスニーカーマニアからベンチマークされている。
業界関係者向けに限定したBtoBイベントではなく、個人も参加できるBtoC型である点が大きな特徴だ。ファッション系やスポーツ系のブランドや、スニーカーのセレクトショップがブースを構え、新作や限定品、コラボアイテムなどをドロップ(発売)。マーケットプレイスを併設していることも、盛り上がりの理由だ。デザイナーやクリエイター本人、ブランド、スニーカーキッズらが投稿するSNS情報なども見どころの一つだ。ちなみに、昨年の来場者数は約5万人。商品売上高は2000万~2500万ドル(約22億~27億円)だったといわれている。
米国発のユースカルチャー総合情報サイト「COMPLEX」(コンプレックス)などを運営するComplex Networks(コンプレックス ネットワークス)と、国際見本市やニューヨーク・コミコン(New York Comic Con)、ファッション展示会Agenda(アジェンダ)も手がけるなどで知られるReed Exhibitions(リード エグジビション)のグループ会社Reed POP(リードポップ)が共催するもの。
ヴァージル・アブローや「KITH」のロニー、ジェイデン・スミスも登場
今回、メインホストを務めるのは、Pharrell Williams(ファレル・ウィリアムス)と村上隆だ。「OFF-WHITE c/o VIRGIL ABLOH」(オフホワイト ヴァージルアブロー)や「LOUIS VUITTON」(ルイ・ヴィトン)のメンズ・アーティスティック・ディレクターのVirgil Abloh(ヴァージル・アブロー)、「KITH」(キス)のRonnie Fieg(ロニー・ファイグ)オーナー、Jaden Smith(ジェイデン・スミス)らがパネルディスカッションに登壇。ラッパーのFUTURE(フューチャー)や音楽プロデューサーも務めるNas(ナズ)らがパフォーマンスを行う。
カイカイキキを率いる村上隆は、イベントのブランド・アイデンティティを再設計するとともに、デザインや体験型コンテンツなど全体を監修。アートゾーン内では、6人のカスタム・スニーカー・デザイナーを中心に作品を展示する「Sneakers for Breakfast」展を企画。さらに、村上がプロデュースする中野ブロードウエイにあるカフェ「Bar Zingaro」(バー・ジンガロ)をコンプレックスコン・バージョンで登場させる。
デザイナーのTommy Hilfiger(トミー・ヒルフィガー)と、弟でファッション&音楽ビジネスマンでミュージシャンでもあるAndy Hilfiger(アンディ・ヒルフィガー)も登場。近年スリートキッズからの人気が高まっている「Tommy Hilfiger」(トミー・ヒルフィガー)の成功とヒップホップとの関係性をテーマにトークを行う。
事前に、キム・ジョーンズ(Kim Jones)がメンズのクリエイティブ・ディレクターを務める「DIOR」(ディオール)の参加が、交渉に当たっていた代理店が契約権を持っていなかったという理由で見送られたり、「NIKE」(ナイキ)の不参加が伝えられるなど、ざわつきもある。それでも、「PUMA」(プーマ)や世界最大のECプラットフォーム「shopify」(ショッピファイ)、若者層に人気のショート動画コミュニティ「TikTok」(ティックトック)、「Cadillac」(キャデラック)などがしっかりとスポンサード。
主な出展ブランド・ショップは「AAPE BY *A BATHING APE」(エーエイプバイアベイシングエイプ)、「ADIDAS ORIGINALS」(アディダス オリジナルス)、「CHAMPION」(チャンピオン)、「DICKIES GIRL」(ディッキーズ ガール)、「FILA」(フィラ)、「G-SHOCK」(Gショック)、「G-STAR RAW」(Gスターロウ)」、「KAPPA」(カッパ)、「K-SWISS」(Kスイス)、「NUDIE JEANS CO」(ヌーディジーンズ)、「REEBOK」(リーボック)、「RUSSELL ATHELETIC」(ラッセル アスレチック)、「SWATCH」(スウォッチ)、「UNION LOS ANGELES」(ユニオン ロサンゼルス)、「URBAN OUTFITTERS」(アーバンアウトフィッターズ)、「VANS」(ヴァンズ)、「X-LARGE」(エクストララージ)など。
ファレルが設立した「BILLIONAIRE BOYS CLUB」(ビリオネア・ボーイズ・クラブ)、タトゥーアーティストによる「SCOTT CAMPBELL」(スコット・キャンベル)、テクノロジーとサステイナビリティを融合した新ブランド「PANGAIA」(パンゲア)、日本から参画する「ATMOS」COMPLEXCONオフィシャルサイト(アトモス)、「BOUNTY HUNTER」(バウンティハンター)なども関心が高いという。
なお、ComplexConを理解するのに役立つサイトをいくつか紹介しておきたい。
<参考サイト>
村上隆も参加。アートから食まで、最先端が集まる祭典「ComplexCon」が今年もロサンゼルスで開催! (美術手帖)
ファレルにヴァージル、世界中からストリートの猛者が集結「コンプレックスコン」来場者スナップ(WWDジャパン)
How I Became Complex's SVP of Content Strategy (Business Of Fashion)